「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」
のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう
本日7月21日
理念と経営2026年7月号より

ビジネス界のみならず日本社会に影響を与える姿を見続けてきた作家・江波戸哲夫氏が語る『裸の丹羽宇一郎”とは。
ポイント
1. 丹羽宇一郎氏は「自然体の経営者」だった
丹羽氏は伊藤忠商事社長時代、約四〇〇〇億円の不良債権を一括処理し、翌年度に過去最高益を実現した。
しかし、江波戸哲夫氏が最も衝撃を受けたのは、その大胆な経営判断以上に、丹羽氏の飾らない姿だった。
-
通勤電車を利用する
-
長靴とカバンで出勤する
-
権威を見せない
-
約束どおり六年で社長を退く
自然体でいることが、現実を正しく見る力と大胆な決断につながっていた。
2. トップの最重要課題は、部下との直接対話
丹羽氏は、
「トップにとって最も重要なことは、部下と直接対話することだ」
と語っていた。
伊藤忠商事では、全社員を対象とする社員総会を行い、自ら社員と向き合った。
直接対話には、
-
現場の実情を知る
-
経営者の考えを伝える
-
社員の不安を受け止める
-
組織との距離を縮める
という意味がある。
対話を仕組みとして実行できた背景には、経営者としての自信と覚悟があった。
3. 読書が仕事と人生を支えた
丹羽氏は、子どもの頃から幅広い本を読み続けた。
後年も、山中伸弥氏をはじめ異分野の第一人者と対話するため、新たな分野を学び続けていた。
「読書と仕事は不即不離の関係にある」
という言葉どおり、読書は知識を得る手段だけではなかった。
-
固定観念を壊す
-
異なる立場を理解する
-
自由に考える
-
自分の判断を検証する
ための基盤だった。
4. 経営者から社会の論客へ
丹羽氏は、経営者を退いた後も、中国大使や執筆、対談などを通じて社会へ発言を続けた。
その活動の底流には、
-
日中関係
-
若い世代の未来
-
戦争への危機感
-
平和への願い
があった。
最晩年まで、若者に平和を守る責任を訴え続けた。
経営で培った見識を、自社の利益だけでなく社会全体へ還元した人物だった。
結論
丹羽氏の経営者革命とは、
権威や肩書に頼らず、学び、直接対話し、自ら決断する経営
である。
巨額損失の処理という大胆さと、電車通勤や社員との直接対話という自然体は、矛盾しない。
むしろ、現場や社員と同じ目線に立っていたからこそ、厳しい現実から逃げず、大きな決断ができたと考えられる。
水平思考
この事例は、経営者の能力を、
-
話す力
-
命令する力
-
カリスマ性
だけで測ってはいけないことを示している。
丹羽氏の力は、
社員と同じ場所に立ち、直接聞き、学び続けること
から生まれていた。
経営者と現場の距離が近いほど、悪い情報や小さな変化も早く把握できる。
丹羽氏には、
-
謙虚さと大胆さ
-
自然体と厳しい決断
-
経営と社会貢献
-
現場感覚と世界的視野
が同時に存在していた。
強い経営者とは、強さだけを見せる人ではなく、学び続け、他者の声を受け入れながら、最後は責任を引き受ける人である。
自社への活用方法
活用キーワードは、
直接対話・自然体・現場主義・情報共有・読書・異分野学習・決断責任・期限ある役割・社会的使命・平和・次世代
関係者に共有すべき視点は、
-
役職による距離をつくらない
-
現場の声を直接聞く
-
経営判断の前提を学び続ける
-
異分野との対話を増やす
-
約束と期限を守る
-
経営成果を社会へ還元する
ことである。
自社の哲学と照らし合わせて
今回の内容は、自社の価値観である、
-
当事者意識
-
正しい評価
-
多様性
-
シンプル
-
イノベーション
と深く重なる。
特に、丹羽氏の自然体は「シンプル」、直接対話は「当事者意識」、幅広い読書と異分野交流は「多様性」と「イノベーション」につながる。
また、
「世界に一つしかない地域をつくるために、世界に一つしかない組み合わせを育て続ける」
には、経営者だけの知識では足りない。
社員、地域、専門家、若い世代の声を直接聞き、異なる知識を組み合わせる必要がある。
最後に一言でまとめるなら、
大きな決断を支えるのは、権威ではなく、現場との対話と学び続ける姿勢である。
#丹羽宇一郎
#江波戸哲夫
#経営者革命
#直接対話
#自然体の経営
#現場主義
#読書と経営
#学び続ける
#決断責任
#平和への願い
#経営哲学