「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日は7月14日

理念と経営2026年7月号より
仕事や人生の悩みは尽きないが、そこに問いを立て、考え、自分なり答え導く
プロセスはとても重要だ。「自問自答」の思考力を高めるヒントをお届けする

 

 

 TODAY'S
 
一歩先を読む想像力の磨き方

株式会社佐藤満国際経営・農業研究所

代表取締役社長
佐藤 満

 

ポイント

1. 経営者に最も必要なのは「想像力技能」

カッツの3スキルは、

  • 専門技能
  • 人間関係技能
  • 想像力技能

の三つです。

この中で、経営者に特に重要なのが想像力技能です。

想像力技能とは、単なる発想力ではありません。

目に見える情報をつなぎ合わせ、まだ見えていない未来や全体像を考える力

です。

経営者には、現在の数字や出来事から、一歩先に何が起こるかを予測する力が求められます。


2. 先見力は「予言」ではなく情報分析から生まれる

一歩先を読むというと、特別な直感や予知能力のように感じます。

しかし実際には、

  • 現在ある情報を集める
  • 変化の背景を考える
  • 複数の可能性を想定する
  • 自社への影響を予測する

という積み重ねです。

つまり、

先見力とは、情報と想像力を組み合わせた仮説構築力

と言えます。


3. 「自分ならどうするか」が想像力を鍛える

新聞や本を読んでも、内容を知るだけでは想像力技能は身につきません。

大切なのは、常に、

「自分がその立場なら、どう判断するか」

と考えることです。

企業経営だけではなく、

  • 政治家ならどうするか
  • スポーツ監督ならどうするか
  • 自治体の責任者ならどうするか
  • 企業の社長ならどうするか

と、自分をその立場に置いて考える。

日常のニュースや社説も、経営判断の訓練材料に変わります。


4. 二階層上の立場で考える

将来、管理職や経営者を目指す人は、自分より二階層ほど上の立場を意識するとよいとされています。

一般社員なら課長、係長なら部長の立場で、

  • 何を優先するか
  • 誰にどう伝えるか
  • どのリスクを取るか
  • 何を見送るか

を考える。

役職に就いてから考え始めるのでは遅く、普段から上位の視点で考えることが準備になります。


5. 答えを教えすぎると、考える力を奪う

後輩がすぐに答えを求める背景には、上司や先輩の対応も関係します。

質問されるたびに、

「それなら、こうすればいい」

と答え続けると、後輩は自分で考えなくなります。

親切に答えているつもりでも、結果として依存を生んでいる可能性があります。


6. 「問いのラリー」が主体性を育てる

後輩から「どうしましょうか」と聞かれた時には、すぐに答えず、

「あなたはどうしたらよいと思いますか?」

と聞き返します。

さらに、

「なぜ、そう考えたのですか?」
「他に方法はありますか?」
「その場合、どんなリスクがありますか?」

と問いを重ねる。

こうした「問いのラリー」によって、後輩は自分の仮説を持つ習慣を身につけます。


結論

今回の文章の核心は、

想像力は、答えを知る力ではなく、自分なりの答えを考える力である

ということです。

経営者は、誰かが正解を教えてくれる立場ではありません。

限られた情報の中から未来を予測し、複数の選択肢を考え、最終的に自分で決断する必要があります。

同時に、人を育てる立場になったら、答えを与えるだけではなく、相手に考えさせることが重要です。

経営者自身が考え続け、社員にも考える習慣を広げる。

それが、変化に強い組織の土台になります。


水平思考

この文章は「想像力を鍛える方法」の話ですが、別の角度から見ると、

日常を経営シミュレーションに変える方法

とも言えます。

新聞記事、社説、他社の失敗、地域の問題、入居者からの相談など、あらゆる出来事に対して、

  • 自分が責任者ならどうするか
  • 別の立場ならどう見えるか
  • 何が起きると前提が崩れるか
  • 反対意見には何があるか

と考えれば、日常そのものがケーススタディーになります。

つまり、学びの量よりも、

一つの情報を何通りの視点で考えられるか

が重要です。

 

一見すると、

  • すぐに答えること
  • 親切であること

は同じに見えます。

しかし、長期的には違います。

すぐ答えれば、その場の問題は早く解決します。
一方で、相手が自分で考える機会を失う可能性があります。

逆に、問い返すと一時的には時間がかかりますが、将来的には自立して判断できる人が育ちます。

つまり、

目の前の効率を少し手放すことで、未来の組織力を高める

という考え方です。