「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」
のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう
本日は6月26日
理念と経営2026年6月号より

目立たないが、人望に厚い
組織に不可欠な潤滑油
いつの時代も、組織の調整役を担ってくれる人物は貴重である。そういった人は、通常あまり目立たないものだ。しかし、 組織には不可欠な存在である。今回は、織田家や豊臣家を下支えした、丹羽長秀という人物に迫ってみよう。
P78抜粋
ポイント
1. 丹羽長秀は「米」のような存在だった
丹羽長秀は、織田家の中で柴田勝家と並ぶ重臣だった。
派手な武功や奇策で目立つ人物ではなかったが、
- 公平に物事を見る
- 自己主張しすぎない
- 組織全体を支える
- 人望が厚い
- 信長から信頼されていた
という意味で、組織に不可欠な存在だった。
当時の小歌では、
米五郎左
と呼ばれた。
米のように、目立たないがなくてはならない存在である。
2. 潤滑油型リーダーの価値
長秀は、柴田勝家のような強烈な個性や圧力ではなく、
組織の空気を整える力を持っていた。
- 頑固だが誠実
- 権威に執着しない
- 官位も辞退する
- 織田家全体を見て判断する
このような人物がいることで、組織は分裂せずに保たれる。
強い組織には、前に出る人だけでなく、間をつなぐ人が必要である。
3. 清洲会議で秀吉を支えた意味
本能寺の変後、織田家の行方を決める清洲会議が開かれた。
本来なら、序列では柴田勝家が上。
秀吉はまだ織田家の中では下位の立場だった。
しかし長秀は、秀吉を支持した。
それは、秀吉個人を贔屓したというより、
織田家の内紛を長期化させないため
だった。
長秀は、自分の利益ではなく、時代全体の流れを見て判断した。
4. 長秀の支援が豊臣政権を生んだ
秀吉が清洲会議、さらに賤ヶ岳の戦いを経て主導権を握れた背景には、長秀の協力があった。
もし長秀が勝家側につけば、秀吉の台頭は難しかった。
つまり長秀は、
豊臣政権成立の見えない最大功労者
とも言える。
目立つのは秀吉だが、その背後には組織の信用をつなぐ長秀がいた。
5. 組織には「華」より「米」が必要な時がある
長秀は、スター型のリーダーではなかった。
しかし、
- 混乱期に落ち着いて判断する
- 派閥争いに深入りしない
- 最善ではなく次善を選ぶ
- 全体の安定を優先する
という力を持っていた。
組織が危機にある時、本当に必要なのは派手な英雄ではなく、
全体を壊さず前へ進める「米」のような人材である。
結論
丹羽長秀の本質は、
目立たないが、組織を生かす潤滑油である
ということ。
リーダーには、先頭で旗を振る人も必要。
しかし、それだけでは組織はまとまらない。
人と人をつなぎ、対立を調整し、全体を安定させる人物がいるからこそ、組織は次の時代へ進むことができる。
丹羽長秀は、まさに
「組織の米」
だった。
この話は「丹羽長秀という武将の評価」ではなく、
組織におけるナンバー2・調整役の重要性
として読むべきである。
秀吉のような突破力のある人材だけでは、組織は壊れる。
柴田勝家のような力のある人材だけでも、硬直する。
そこに丹羽長秀のような人物がいることで、
- 強さ
- 柔らかさ
- 信用
- 安定
が生まれる。
つまり、組織に必要なのは「英雄」だけではない。
英雄を受け止め、組織に接続する人材である。
一見すると、
- 目立たない
- 重要である
は矛盾して見える。
しかし、組織ではむしろ逆である。
目立たないからこそ、全体を支えられる。
自己主張しすぎないからこそ、人が集まる。
権力に執着しないからこそ、信用される。
つまり、
存在感を消せる人ほど、組織にとって存在価値が大きい
という逆説がある。
自社への活用方法
① 「米」の役割を置く
それぞれに、目立たないけれど重要な役割がある。
特に賃貸管理では、派手な成果よりも、
- 連絡が早い
- 約束を守る
- 入居者の不安を減らす
- 協力会社と揉めない
- 小さな修繕を確実に進める
という「米」の仕事が会社の信用を作る。
② ナンバー2・調整役を意識して育てる
ナンバー2に求めるのは、
- 派手な発想力
- 強烈な営業力
だけではなく、
- 聞く力
- 整える力
- 約束を守る力
- 人の間に入る力
である。
③ 会社の評価軸に「潤滑油」を入れる
目立つ売上だけを評価すると、組織は偏る。
これからは、
- 場を整えた人
- トラブルを未然に防いだ人
- 誰かを助けた人
- 引き継ぎを丁寧にした人
も正しく評価する。