「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日は2月10日

理念と経営2026年2月号より
「特集1」

京都大学理事・副学長

稲垣恭子(いながききょうこ)

 

 

 TODAY'S
 
ビジョンを本気で追う時、経営者は師に出会える

各業界の師弟関係に詳しい稲垣恭子先生は「わかりやすい学び」ばかりが評価される近年の風潮に管理を鳴らす。学びは必ずしも言語化できるとは限らない。むしろ実体なき教えにこそ、師を持つことの意義があるのではないか。

P26抜粋

ポイント(要点整理)

1. 師弟関係には「勘定」と「感情」が同時に存在する

  • 勘定の関係
    利害・成果・成長を目的とした合理的な師弟関係
    例:自動車教習所の教官、ビジネススクール、コンサル

  • 感情の関係
    尊敬・信頼・人としての惹かれ合いが基盤
    例:伝統芸能、職人世界、人生の先輩

→ 本質は「どちらか」ではなく、両方が重なり合う点にある。


2. 近代企業ほど「感情」が削ぎ落とされてきた

  • 成果主義・効率重視が進むほど
    → 人間関係から感情が排除される

  • 「叱る」「付きっきりで教える」行為は
    → ハラスメントと誤解されやすい時代

しかし
👉 不確実性の高い時代だからこそ、感情を伴う学びが再評価される


3. 師の本質は「教える人」ではない

  • 師とは

    • ノウハウを与える人ではない

    • 正解を教える人でもない

  • 好ましい影響・インスピレーションを与える存在

  • 言語化されない「余白」から学ぶことが核心

    • もやもや

    • 腑に落ちない違和感

    • すぐに使えない示唆

→ それが後に「態度」や「判断基準」になる


4. 師は必ずしも同業・成功者とは限らない

  • 別分野の人

  • 趣味・教養の世界の人

  • 完璧でも人格者でもない人

重要なのは
👉 「この人の生き方が、自分のビジョンにどう作用するか」


5. 師は「探す」のではなく「ビジョンを追うと現れる」

  • 短期で見極めるものではない

  • 「この人は役に立つか?」ではない

  • 長期ビジョンを本気で追った時に、結果として現れる存在


6. AIは「師」にはなれない

  • AIは情報・言語化・整理はできる

  • しかし

    • 空気

    • 非言語

    • 人生の体温
      は伝えられない

AI時代だからこそ、人の師の価値が浮上する


結論

経営者にとっての師とは、
「何を教わるか」ではなく
「どう生きるかを照らしてくれる存在」である。

  • 勘定だけの師では、道具止まり

  • 感情だけの師では、憧れ止まり

  • 勘定×感情×長期ビジョン
    この交点に立ったとき、師弟関係は経営の深度を変える


自社への活用

① 経営判断に「言語化できない余白」を残す

  • KPI・数値・効率だけで意思決定しない

  • あえて

    • 腑に落ちない

    • 説明できないが気になる
      という違和感を保留する

👉 量子思考的:即収束させず、重ね合わせの状態を許容


② 師=メンターを「機能」で選ばない

  • スキル提供者=勘定の師

  • 生き方に影響を与える存在=感情の師

👉 両方を 同一人物に求めなくてよい


③ 教養・異分野に意図的に身を置く

  • 仕事外の場(アート、歴史、地域、趣味)

  • 利害関係の薄い場

👉 ビジネスに直結しない場所こそ、長期的に効く