「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」
のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう
本日11月21日
理念と経営2025年11月号より
評論家
山本七平(やまもと・しちへい)

日本のダメな組織は「組織自体の日常的必然といったもので、無目的に自転する」
🔹ポイント
1. ダメな組織の本質は「無目的な自転」
山本七平が描く“ダメな組織(日本軍)”の特徴は、そのままダメな会社にも当てはまる:
-
すべてが定型化・規則づくめ・超保守的
-
それ自体で完結し、外から手がつけられない
-
危機感はあるが、日常と結びつかない
-
結果、「目的」ではなく「日常を回すこと」自体が目的化してしまう
→ これが「組織自体の日常的必然として、無目的に自転する」という状態。
2. ダメ組織に必ずいる「3種類の人」
山本の分類は、そのまま多くの会社にも見られる構図:
-
危機を大声で叫ぶが、具体策がなく、日常行動は従来どおりの人
-
規則・先例を完璧に把握し、日常運営を支配する“無口な生き字引”(閉鎖的で自信満々)
-
傍観者(観察者)として冷めて見ているOL的存在
→ どれも「組織の“自転”を止めない役割」になってしまっている。
3. 組織を救う唯一の道は「個人の再把握」
山本は、「ダメな組織を救う方法は、所属する個人が自らを再把握することだ」と述べる。
-
自分が何者か
-
自分は何のためにこの仕事をしているか
-
今やっている仕事は本当にそれでよいのか
→ 自分と自分の仕事を疑い、少しでも変えていくことが唯一の処方箋。
4. トヨタだけが「仕事を疑う」ことを日常化している
-
トヨタ生産方式:
-
「考えること」「変化すること」を重んじる
-
毎日、少しずつでいいから、自分の仕事を変える
-
失敗しても叱られない。
-
“変えないこと”を叱る文化
-
→ 「日常の自転」を“改善の自転”に変えた例。
🔹結論
**組織がダメになるのは、
「目的を失い、日常の維持そのものが目的化したとき」**です。
そして、それを変えるのは
会社の看板でも制度でもなく、
一人ひとりが
「本当にこれでいいのか?」と
自分の仕事を疑い、
毎日、少しだけ変える習慣を持てるかどうか。
トヨタ生産方式は、その「疑う→変える」を組織文化として仕組みに落とした例であり、
“無目的な自転”を“改善の自転”に変えるモデルケースと言えます。
🔹自社への活用(あなたの会社・プロジェクトへの落とし込み)
あなたの事業(不動産、インバウンド、移住、伝統工芸、地域づくり)を前提にすると──
1. 「無目的に回っているルーティン」がないかを疑う
-
賃貸管理の定型文連絡
-
ルーチンの清掃・点検
-
SNS投稿・ブログ更新
-
会議や打ち合わせの形式だけの継続
これらに対して、定期的にこう問う:
-
「この作業の本来の目的は何だったか?」
-
「今もその目的にちゃんと貢献しているか?」
-
「目的に近づくために、どこを変えたらいいか?」
→ “やり方を守るための作業”になっていないか、意識的にチェックする。
2. 毎日・毎週「1つだけ変える」量子思考ルール
量子思考(並行実験)の発想と組み合わせて:
-
毎日 or 毎週
→ 「不動産」「インバウンド」「工芸」「移住」「発信」のいずれかで
小さな1カ所だけ変える
例)-
連絡文を一文だけ顧客視点に書き換える
-
物件案内ページに「移住者の本音Q&A」を1つ追加
-
工芸体験ページに“職人の一言ストーリー”を足す
-
SNS投稿の見出しを“東京の人に刺さる言い回し”に変えてみる
-
→ 小さな「変化の自転」を各プロジェクトで同時並行で回す。
3. 自分と仕事を「再把握」する定点観測
月に1回、「自分と仕事の棚卸し」をする時間をあえてつくる:
-
今月、自分は何をしていたか
-
それは「東京からうらやましがられる地域」という意義目標につながっていたか
-
“回していただけ”の仕事はなかったか
-
来月、何をやめて、何を強化するか
→ あなた自身が“トヨタの現場”のように、自分の仕事を疑う人になる。
→ その姿勢を、奥さまや関わるメンバーにじわっと伝える。
4. 「3種類の人」が自社の中に生まれないようにする
-
危機だけ叫んで日常は変えない人
-
規則だけで動き、新しい提案を拒む人
-
傍観して黙って離れていく人
これを防ぐために:
-
小さくてもいいので、「自分で変えたこと」を共有する場(週1の5分でもOK)
-
「変えた人」を褒める文化(結果より“変えた行為”を評価)
-
ルールの目的をセットで説明し、「目的のためなら変えていい」と宣言する
→ “空気に従う組織”ではなく、“目的と改善で動く組織”へ。