「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」
のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう
本日10月20日
理念と経営2025年10月号より
元花王株式会社
代表取締役会長
丸田芳郎(まるた よしお)

「天地の理法に基づいて、真に価値あるものを創造していくことが企業目的だ」
🧭 ポイント
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理念に基づく経営哲学
丸田芳郎氏の言葉――
>「天地の理法に基づいて、真に価値あるものを創造していくことが企業目的だ」
この“天地の理法”とは、人間社会の原理=消費者の真の欲求を指す。
競争ではなく、価値創造を目的とする姿勢が花王の原点。 -
競争しないマーケティング
丸田氏は、他社を模倣せず、消費者の生活実感を観察し続けることを選んだ。
週末はスーパーに立ち、消費者の動きを見つめた。
ベンチマークではなく、“真の観察”を戦略の基礎に置いた。 -
損得よりも「理」を選ぶ決断
ダイエーからの「特別割引」要求を断固拒否。
結果、花王商品は10年間、ダイエーの棚から消えた。
それでも丸田氏は「取引先に公平でなければならない」という企業の良心を貫いた。
“利益”より“原理”を守った決断が、結果として花王のブランドを強化した。 -
理念を現場が支えた文化
丸田氏は研究者出身の技術者経営者。
科学的探究心を「人間観察」と「社会への誠実さ」に転化させ、
**“真に価値ある生活文化の創造”**という企業使命を花王文化に定着させた。
💡 結論
本当の強さとは、「競争に勝つこと」ではなく、「原理に立つこと」。
他社との比較や損得ではなく、
「人間として正しいこと」「消費者にとって価値のあること」を貫く姿勢こそが、
企業を長く存続させる。花王の成長は、理念の高さではなく、
“曲げなかった信念”と“観察をやめなかった現場主義”の積み重ねである。
🏢 自社への活用
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「天地の理法=顧客の本質的欲求」を可視化する仕組み
マーケットトレンドではなく、**顧客の“日常動線”**を観察する。
SNSやデータよりも、“現場での肌感覚”を重視した仮説検証を行う。 -
短期的利益より「信頼資本」を優先する判断軸
不当な要求・非対称な取引条件を避け、
**「誠実・公平・原理」**を貫く取引姿勢を社内文化として明文化。 -
“観察型リーダー”の育成
社員が“数字を見る”前に、“人の動きを観る”習慣を持つよう育成する。
顧客観察・現場訪問・体験ヒアリングを理念の実践行動と位置づける。 -
ブランドの「理想像」を定義する
御社のような地域創生・伝統産業支援の文脈では、
「東京からうらやましがられる地域をつくる」という理念に、
“地域の理法=その土地で暮らす人の真の幸せ”を重ね、事業方針に反映させる。
最近、あるネットの投稿を見て心に残りました。
「私は家の近くのスーパーで買い物しています。
少し高くても、長く営業を続けてもらうために。」
この言葉には、消費者としての成熟した“投票”の意識を感じます。
どこで買うかは、誰を応援するかという選択でもある。
一時の安さを追えば、地域の店はなくなっていく。
しかし、少しの支援が続けば、そこに暮らしの安心とつながりが残る。
企業もまた同じです。
値下げで選ばれるより、信頼で選ばれる存在になること。
それが、社会の持続性と地域の温かさを生む本当の「消費者の利益」なのだと思います。