「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日は7月6日

 

理念と経営2024年5月号より

元キリンビール代表取締役副社長

田村 潤(たむら じゅん)

 

 

 

 

 TODAY'S
 
「利益や売上を追求する組織」から、
「理念を実現する組織」に変わること

 

 

元キリンビール代表取締役副社長、田村潤氏は、退職後もその経験と知識を生かし、営業パーソンを支援する活動を続けています。彼の言葉と行動から、経営者としての哲学と実践の重要性を学びましょう。

退職後の生活に必要な考え

大企業の幹部は退職後、多くが系列会社の役員や社外役員となります。報酬は現役時代より少なくなるものの、社会との関わりは続きます。しかし、田村氏は系列会社への道を選ばず、フリーの立場で生きる決断をしました。

彼の退職後の活動は、キリンビールの営業現場での経験を苦労している営業パーソンに伝えることでした。彼の講演は人気を博し、著書『キリンビール高知支店の奇跡』はベストセラーとなり、困っている営業パーソンのバイブルとなりました。

経営者としての覚悟

長い間、会社勤めをしていると、いつの間にか会社に頼る癖がついてしまいます。退職後も誇りを持って生きるためには、世話になった会社には誠意を尽くしつつも、それまでの肩書に頼らない覚悟が必要です。田村氏の行動は、その良い手本と言えます。

経営理念を実現する組織

田村氏は「利益や売上を追求する組織」から「理念を実現する組織」への変革を強調します。お客様のことを考え、常にイノベーションを起こして必ず勝つ組織が強い集団となります。営業のイノベーションとは既存のものや力の組み合わせ方を革新し、社会的価値を実現することです。

彼の言葉から、何としても勝ちたいという執念が勝敗を分けることを学びます。競争に勝つための執念の持続性が、コミュニケーションや広告活動においても創意工夫を生み出す原動力となります。

没入し、楽しむ

 
 
 
 

田村潤氏の教えから多くのことを学びましたが、私が特に感じたのは「時代は変わる」ということです。退職後も誇りを持ち、フリーの立場で生きる彼の姿勢は、現代においても多くの経営者に示唆を与えてくれます。彼のように楽しんで仕事を続けることができる人もいれば、技術を駆使して楽しんでいるように見せる、つまり仕事をテクニカルにこなせる人もいるでしょう。

現代の経営においては、この両方の良いところを取り入れることが求められています。まさに「ハイブリッド」の時代です。楽しさを持続しつつ、技術的なスキルを駆使して効率的に仕事を進める。この二つの要素をバランス良く取り入れることで、企業は変化する市場環境に対応し続けることができます。

今後、団塊ジュニア世代が引退し、Z世代が台頭するようになると、経営のスタイルや価値観もまた変わるでしょう。新しい世代が持つ独自の視点やアプローチが企業文化や戦略に反映されることになります。その時、現在のハイブリッドな経営スタイルもまた変わり、新しい形に進化することでしょう。

しかし、重要なのはこの変化に対応し続ける姿勢です。固定された考え方や方法に固執するのではなく、常に新しい情報やトレンドに敏感であり、柔軟に対応していくことが求められます。田村氏の言葉を借りれば、「理念を実現する組織」として、お客様のニーズに応え、イノベーションを起こし続けることが、生き残る道であると感じます。

田村潤氏の教えは、時代の変化に対応するためのヒントを与えてくれるものでした。私たちもまた、その教えを胸に、柔軟でありながらも確固たる理念を持ち続け、経営に取り組んでいきたいと思います。

 

営業で結果を出すことは簡単ではありませんが、没入し楽しむことでその瞬間が訪れると彼は言います。経営者としても、日々の業務に没頭し、その過程を楽しむことが成功への鍵となるのです。