「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日7月1日

 

理念と経営2024年7月号より

 

 

管理力

 

 

 TODAY'S
 
iPS細胞が世界で日の目を見る日

 

 

かつて日本は技術力で世界を牽引していました。日本人には明確な「ビジョン」があったからです。そのビジョン実現に

向けて「ワークハード」で自らの人生を懸けて闘ったのです。

企業の成長・発展は経営幹部次第です。管理力とは献身を惜しまぬ力のことです。

P32抜粋

 

 

トーマス・エジソンは、発明王として今も世界に大きな影響を与えています。彼は常に関心や興味を持ち、ひらめくとすぐにメモを取りました。その記録は3,500冊にも及びます。エジソンに対して「どうすれば次々に発明できるのか」との質問が多く寄せられましたが、彼は「多くの人に貢献したいという気持ちを持ち、そのために自分に何ができるかを考えること」という主旨の回答を送ったそうです。

iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥先生も、エジソンと同じ考えを持っています。特に「1%のひらめき」には、日頃の「99%の努力」が必要です。今の日本では、努力の尊さを述べると昭和世代と揶揄されがちですが、99%の努力に裏打ちされていないひらめきでは、成功はおぼつきません。

山中先生のiPS細胞の成功も、「ビジョン」と「ワークハード」の賜物です。山中先生は次のように書かれています。「名医でも治せない病気やケガがあることを目の当たりにし、父をC型肝炎で亡くしたことがきっかけで、難病で苦しむ患者のために新しい治療法を見つけたいと臨床医を辞め、基礎医学に進路を変えました」。

恩師ロバート・マーレー氏の言葉も山中先生に大きな影響を与えました。「研究者として成功するための秘訣はV・Wだ」。Vは明確なビジョンを持つこと、Wはワークハードです。つまり「ビジョンを実現するために一生懸命に努力をする」という意味です。

山中先生はこの言葉をモットーにし、他の研究者の三倍の努力をして学びました。ビジョンがあれば、厳しい状況でも耐えられるからです。彼は約三年間必死に努力し、新しい遺伝子を発見しました。そして、2006年にはマウスでiPS細胞を作製し、世界で日の目を見ることになりました。

「医学で多くの人の役に立ちたい」という強いビジョンを持ち続け、絶え間ない努力を続けた結果、山中先生は現在、多くの人々に貢献する研究所の所長として活躍しています。

努力をするという言葉は、辛く厳しい印象ですが、成し遂げたいことのために、常に取り組み続ける・改善し続けるという継続する力をワークハードと置き換えてみたらどうでしょうか。