日常の心温まる物語を紡ぐ作家の青山美智子さんと、日常にあるものを風景に見立てたミニチュアアート作品を創作するミニチュア作家・写真家の田中達也さんのコラボ作品。
田中達也さんはこれまでも青山美智子さんの作品の装丁を手掛けているそうですが、この作品では、ある日の遊園地に訪れた様々な人々を描いた8編の物語の初めと終わりにミニチュア作品が挿入されており、田中達也さんのミニチュア作品をもとに青山美智子さんが小説を書き、その小説をもとにミニチュア作品を作るという、双方向リンクになっています。
小説だけでもほっこりと心温まり幸せな気分を味わえるのですが、ミニチュアを見ると小説の登場人物がいるのはもちろんのこと、遊園地の施設や遊具に見立てているモノが小説の中に登場したりもしていて、ふっと微笑んでしまいます。
田中達也さんの作品の見立てが好きで読んでみたこの本ですが、小説と組み合わさるとミニチュア作品だけを見るのとはまた違った良さがありますね。
とても楽しい作品でした。