生成AIとはどのような技術なのか、生成AIによって人々の仕事、暮らし、文化、芸術などにどのような変化をもたらすのか...といった生成AIの概観を知るのにちょうどいい本です。
昨年から仕事でも生成AIを使い始めましたが、ちょっとしたコードの生成やトラブルシューティング、技術調査など、システム開発業務の支援ツールとしてはかなり使えます。
ただ、この本でも触れられているように、文化芸術分野などでは、創作活動において生成AIをどのように使い、生成AIによる創作物をどう評価するか、難しい問題があるように思います。
著者は創作者個人の思想・感情・ストーリーが反映された創造的行為こそが「創作」と呼ぶに値するものだとして、その考えに基づいて、創作における生成AIの活用方法を考察しています。
確かに「創作」の意義はそこにあるのだろうとは思いますし、それを踏まえて創作者は生成AIとどう付き合っていくのか模索するのであろうかと思います。
しかし、創作物に込められた想いというのは、説明なしでは鑑賞者にそのまま伝わらなかったり、まったく違ったメッセージとして受け取られてしまうこともあり、逆に生成AIが生成した無感情な作品に感動してしまうようなこともあろうかと思うと、鑑賞者としても複雑です。
あとはフェイク。
仕事で生成AIを使っている中でも、時々ウソをつかれますが、生成AIの導き出す回答をそのまま受け入れていいのか、疑うべきなのかを判別する能力、正しい回答を導き出すテクニックなどを磨くことが必要です。
生成AIは便利だけれども、生成AIに欺かれないようにしたいですね。