「森の芸術祭 晴れの国・岡山」
1日目に奈義エリアと津山エリアを巡ったその続き。
2日目は大山に登ったので、その帰りに真庭/蒜山エリアの蒜山に寄りました。
GREENable HIRUZENのシンボルとなっているこの奇抜な建物?はパビリオン「風の葉」というそうです。
H16-c 川内倫子
GREENable HIRUZENは何かと話題の隈研吾さん監修のサステナブルをテーマとした施設だそうで、その一角にある真庭市蒜山ミュージアムが芸術祭の会場になっていました。
1階は川内倫子さんの作品。
H16-a 東勝吉
2階には3名の絵画、写真の作品が展開されていましたが、83歳から絵を描くことを始めたという東勝吉さんの作品がとても印象的でした。
うまいわけではないのですが、独特なタッチがとても味わい深く温かみを感じます。
芸術祭の作品にはなっていませんが、GREENable HIRUZENには「宇野のチヌ」と同じような淀川テクニックさんの作品もありました。
3日目は新見/満奇洞・井倉洞エリアの満奇洞から。
与謝野鉄幹・晶子夫妻が名付けたという満奇洞。
M20-a 深淵に宿る、彼岸の夢 蜷川実花 with EiM
その最奥部で展開されていたのは蜷川実花さんの作品。
これもこの芸術祭で必ず見たいと思っていた作品です。
真っ赤にライトアップされた鍾乳洞の水面には真っ赤な彼岸花。
そして、着信音や救急車のサイレンが鳴り響き、冥府のような異質な空間と現実社会の喧騒が交錯する不思議な世界でした。
青い(?)彼岸花もありました。
青い彼岸花が咲いているとすると、本当にこんな場所なのかもしれません。
森の芸術祭では井倉洞という鍾乳洞も会場になっていましたが、先日の大雨で洞内浸水して最終地点の映像作品が鑑賞できなくなっているというのと、そもそも鑑賞の手順がめんどくさそうなのでパス。
満奇洞のあとは、真庭/蒜山エリアのサテライト会場、勝山町並み保存地区へ。
H17-a あしあと 妹島和世
こちらでは、SANAAの妹島和世さんの作品が展示されているとのことでしたが、こちらの木の椅子でした。
一部の脚に角度をつけることで、動物のような生命感を感じるかわいらしい椅子です。
勝山町並み保存地区には、それぞれのお店、家ごとに異なるのれんが掛けられており、のれんの町としても有名だそうです。
どののれんも、やさしい色合いでとてもすてきです。
これらののれんを手掛けているのは、勝山在住の染織家・加納容子さんで、工房もこちらにあります。
津山の衆楽園にあったのれんの作品も、リクリット・ティラヴァニさんとのコラボレーションだそうです。
こんなのれんもありました。
O14-a 山に響くこだま ジェンチョン・リョウ
続いては、鏡野/奥津エリアへ。
こちらの作品は鏡野町の鳥、ヤマセミをモチーフとした作品です。
ヤマセミ、まだ見たことがありません。
奥津渓はまだ紅葉シーズン序盤。
甌穴群のあたりは、まだあまり色づいていません。
甌穴。
これはかなり深い。
気の遠くなるほどの時間をかけてできる甌穴は自然のアート。
O15-a 跡 立石従寛
森の芸術祭の作品は、甌穴群から上流に1.3kmほどのところに展示されていました。
奥津渓にある岩を低ポリゴン化して再構築したものだそうです。
周囲にはスピーカーから山や海の生物の声が流れており、音響も含めた作品となっています。
この平たい鏡面は椅子として腰掛けられるようになっているのですが、振動スピーカーが仕掛けられていて、音の振動を臀部から感じることができるようになっています。
作品のあたりの紅葉は、甌穴群のあたりよりも進んでいて三分くらいの色づき。
先ほどの作品は鏡面加工されていましたが、紅葉がピークともなると、作品も赤く染まりそうです。
G10-a スラッグバグ エルネスト・ネト
最後は、津山の郊外、グリーンヒルズ津山にあるこちらの作品を鑑賞して終了。
「森の芸術祭 晴れの国・岡山」は、JR西日本が盛んに宣伝していたのと、アートディレクターが金沢21世紀美術館館長の石川祐子さんということで注目していたのですが、瀬戸内や越後妻有ほどの規模ではないものの、海外のアーティストも多数参加されていて、なかなかクオリティの高い作品が多くて見ごたえがありました。
この秋は越後妻有大地の芸術祭や北アルプス国際芸術祭などにも行きたかったのですが、なかなかタイミングがなくて行けずじまいだったので、この森の芸術祭だけでも見れてよかったです。
来年は瀬戸内国際芸術祭があるので楽しみです。