今、ふたたびの京都 | Archive Redo Blog

Archive Redo Blog

DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

 

 

先日、長野県立美術館の東山魁夷館に行った時に購入した本。

 

東山魁夷が京都を描いた連作「京洛四季」。

 

この連作は、川端康成が京都を舞台にした「古都」などの作品を書くために京都に滞在していた頃、”京都は今描いといていただかないとなくなります。京都のあるうちに描いておいてください。”と東山魁夷に持ちかけたことをきっかけに生まれたそうです。

 

京都の四季を描くといっても、誰もが一目見てそことわかるような名所はあまり描いておらず、よく知っている人が見てニヤっとしてしまうような景色を切り取って描いているところがむしろとてもよく、好きな作品です。

 

私もいつかの作品については、その景色に見覚えがあり、ニヤっとしてしまいます。

 

その「京洛四季」の各作品に、川端康成の「古都」、「紅いくたび」、「たまゆら」などの小説や随筆から抜粋した文章を添えて紹介しているのがこの本です。

 

最初からこういう企画として手掛けたわけでもないのに、絵と文章が共鳴し、絵の風景の中を会話しながら歩いているような臨場感が生まれてくるところが、ただ絵を眺めているのとは一味違ったよさがあっておもしろいです。

 

さらに、各作品を描いた場所の地図やガイドも掲載されているので、これをたよりに聖地めぐり(?)できるのも便利です。

 

絵を描いた場所の写真までは載せていないので、実際に行ってみたいという思いを掻き立ててくれます。

 

「京洛四季」の各作品が描かれたのは1960年代のことで、すでに失われた景色、変わってしまった景色もあるとは思いますが、絵とこの本を頼りに京都を散策するということもちょっとやってみたいと思います。