先日、京都の街を歩いている時に、千本釈迦堂に立ち寄ると、大根焚の準備が始まっていました。
いつか行ってみたいと思っていた京都の冬の風物詩、大根焚。
いいきっかけをもらったので、休日に行われる鳴滝の了徳寺の大根焚に行ってみました。
大根焚で有名なこちらのお寺は自ら大根焚寺と名乗っています。
大根焚は寺院によって由来や焚き方が様々なようですが、了徳寺では、親鸞聖人が鳴滝で念仏の教えを説かれた時に、村人たちによってふるまわれた塩焚きの大根に喜び、ススキの穂を筆代わりに釜の炭で「帰命尽十方无碍光如来」の十字の名号を書き残されたということが由来になっており、親鸞聖人の教えに立ち帰り、毎年この時期に大根焚と報恩講が行われているそうです。
門をくぐると、右側に大きく切られた大根がどっさり入った大きな桶が1、2、3、4、5...
いったい何本の大根を焚くのでしょうか...
ものすごい数です。
奥にはまだ切っていない大根も並んでいます。
切った大根は大きな釜でどんどん焚かれています。
この日は寒波が訪れ、愛宕山がうっすらと雪化粧するほどに寒い日でしたが、この絵を見ているだけでも、ホカホカになりますね。
いただけるのは大根焚だけなのかなと思いきや、おしたしやお食事形式のおときなどもありました。
が、初めてなので、大根焚をいただきましょう。
大根に1,000円というのは少々お高いですが、縁起物ですし、お布施込みということで。
受付で支払いを済ませると、「なつかしやけふ鳴滝の大根焚」と書かれたお箸、大根焚の由来、大根引換券をいただけます。
本堂でお参りを済ませ、本堂内に設けられた席に着くと、まずお茶を、そして遅れて大根焚を運んできてくれます。
大ぶりな大根がゴロゴロと入っていて、その上にお揚げさん。
柔らかく焚き上げられており、あっさりとした味付けながらよく染みておりとてもおいしいです。
親鸞聖人にふるまわれた大根がこのようなものであったのかどうかはわかりませんが、ありがたいお味です。
大根焚の大根を食べると中風にならないと言われるそうですが、体の中が浄化されていくような気がします。
毎年テレビのニュースなどで見て、ものすごく混雑しているイメージのあった大根焚ですが、土曜日のお昼時ながら、人はそう多くなく、案外ゆったりといただくことができました。
京都は古くから続く年中行事が非常に多いところですが、こうした行事を通して四季の移ろいを感じるというのもいいものですね。