
東北ではこの時期でもスキーができるスキー場が数多くありますが、そのひとつ、4月にオープンし、7月まで滑れるという月山スキー場に行ってきました。

月山スキー場にはペアリフトが1本と、そのペアリフトを登った先、姥ヶ岳の斜面の簡易のTバーしかありません。
なので、普通のスキーヤーはこれらを繰り返し利用してスキーを楽しむわけですが、スキーを担いで月山山頂方面に登っていき、そこから滑るという山スキーを楽しむ方も少なからずいるようです。

私も、せっかくなので普通のスキー場ではできない体験をと思い、スキーを担いで山頂に行ってみることにしました。
(ただし、普通の板は重いので、短い板を持って。)

最初は、姥ヶ岳から月山へと続く稜線の少し下の斜面をトラバースしながら、少しずつ登っていきます。

目指す山頂方向。
途中で雪が切れています。
そこまではやや急な斜面を直登していきます。

雪が切れたところからはスキーブーツのまま登山道を登ります。
ここまで1時間半。標高1900m弱。
リフトを降りてからは300mほど登ってきていますが、ここからさらに100m登らなくてはなりません。

が、30分ほどであっさりと山頂部に到着。
固くて重くて底も滑りやすいスキーブーツで、これだけ登山道を登るのは初めてのことでしたが、足のホールド感はむしろ登山靴以上で、思っていたほど苦にはなりませんでした。

頂上にある月山神社。
さすがにまだ閉まっています。

月山の山頂はこの月山神社の敷地の中にあります。
(まだ半分雪に埋もれています。)
本来なら、お祓いを受けてからお参りするものらしいのですが、誰もいないので普通の神社と同じ作法でお参りさせていただきました。

月山山頂から見る稜線。
柔らかで優しい印象があります。

北の方を見ると遠く空に浮かぶようにうっすらと鳥海山が見えます。
この日の月山は快晴で風も強くなく、最高に心地よかったです。

頂上でしばし休息をとった後は、再び元の道を引き返し、雪のある最も高いところから、いよいよ滑り出します。
出だしはそれなりに斜度があり、重たい雪ではありましたが、そこそこ楽しく滑れます。
そこから先は、登りはずっとトラバースしてきた斜面を逆に滑って下りなければならないわけですが、ある程度の斜度がないと板が走らないので、自然に下方向へと逸れて行ってしまいます。
気が付けば、1600mを切る高度まで下りてしまい、再びスキーを担いで登る羽目になってしまいました。

この登りがかなりきつく、息が上がってしまって、数十歩歩いては一息入れるの繰り返し。
しかし、なんとか、リフトのところまで滑って下りれるくらいまで登ってくると、どうせならまた斜め斜めに滑るよりも、姥ヶ岳の頂上まで行って広々としたバーンを自由に滑りたいという欲が沸いてきて、もう一頑張り。

結局、100mほど登り直して、姥ヶ岳の頂上に到着。
姥ヶ岳の頂上から見た月山方面。
写真真ん中上部の雪の切れ込んでいるところから最初はまっすぐ、そして途中から写真右下の方向へと滑り、フレームアウトしたところから、ここまで這い上がってきました。

姥ヶ岳からの滑り出しは、左下に月山湖、遠方に朝日連峰を望む広大なバーンで、どこを滑っていいのか迷うほど。

少し滑っていくとリフトや駐車場が見えてきます。
あとは思うままに滑り降りていくだけです。
が、ここまで相当体力を消耗していたのか、かなりヘロヘロな滑りになってしまいました。

帰りに月山湖PAから見た月山。
やはり柔らかな稜線が美しい山ですね。
山スキーはなかなか大変でしたが、今度は登山で訪れたいです。