中国地方で一番高い山、大山に登ってきました。
大山には主に初心者向けの夏山登山コースと、中・上級者向けのユートピアコースという2つの登山コースがありますが、今回は無難に夏山登山コースを登りました。
夏山登山コースは、登り始めからブナ林の中をほぼ一本調子に高度を上げていく階段コースが続きます。
この時期、日差しこそ遮られますが、あまり風が通らないため、汗だくになり、けっこう辛い道のりです。
きれいなブナ林で、足元にはアジサイなどの花も咲いているのですが、次第に楽しんでいる余裕もなくなってきます。
しかし、6合目までくるとブナ林から低木帯へと変わり、一気に眺望が開けます。
裾野に広がる広大な森の深い緑と、日本海の眺望、とりわけ弓ヶ浜から美保関へと弧を描く海岸線がとても美しいです。
反対側を観れば急峻な北壁と、その向こうに三鈷峰やユートピア避難小屋などが見えます。
厳しいコースのようですが、あちらにもいつかは行ってみたいです。
眺望を楽しみながら8合目まで来ると、なだらかな木道コースになり、下界の眺望を背景にダイセンキャラボク純林が広がります。
大山で一番好きな景色です。
ダイセンキャラボクは遠目に見るとハイマツのようにも思えますが、近くで見ると全く違います。
今はただ緑の葉っぱだけですが、秋になると小さな赤い実をつけるそうです。
ダイセンキャラボク純林のあいまには、短い夏を惜しむかのように、様々な花が咲き乱れています。
この8合目から頂上までは、周回コースのようになっているので、余裕があればぐるりと回ってみるのも楽しいかと思います。
夏山登山コースの最高到達点は弥山(1709m)。
大山の最高峰は剣ヶ峰(1729m)ですが、崩落が激しくて危険なため、立ち入り禁止になっているそうですので、実質的な頂上はこの弥山ということになります。
この日は残念ながらガスっていて視界不良で、着いた時に一瞬見えていた剣ヶ峰もすぐに雲に呑み込まれてしまいました。
待っていてもいつ晴れるかわからないし、頂上の気温は18℃と、涼しいというより少し肌寒いくらいの気温でしたので、少し休憩しただけで眺望はあきらめて下山しました。
ところが下山して大山を振り返ると、ほぼガスが晴れていました。
(大山から米子へ向かう道の途中の岡成池からの眺望)
下山途中、これから登ろうという多くの人々とすれ違いましたが、彼らは頂上からいい景色を観れたのでしょうか?
夏休みということで、バリバリの登山仕様の人から、普段着に近い服装で登ってくる家族連れまで、実に様々な人たちがいましたが、大山のこの夏山登山コースは道中それほど危険な個所もなく、最低限の準備さえできていれば気軽に登山の醍醐味を味わえる魅力的なコースだと思います。