フランス音楽~絵画・・・浮世絵散策 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録




最近、佐渡裕さんが芸術監督を務める兵庫県立芸術文化センター管弦楽団 (PAC)の定期演奏会をたまに聴きに行っています。


地元ですし、チケットも1,000円からと気軽に楽しめるので気に入っています。


5月の定期演奏会のテーマは、フランス音楽。


様々な楽器が織り成す色彩豊かなオーケストレーションが魅力のラヴェルの「ダフニスとクロエ」、大自然が見せる様々な表情を巧みに奏でるドビュッシーの「海」など、夢の世界に誘うかのような美しい音楽は、クラシックの中でもとりわけ好きです。


こうしたフランス音楽は、よく印象派などの絵画のようであるというように形容されることがありますが、確かに表現として通ずるものがあると思います。







ということで、思い出したのが、兵庫県立美術館 で開かれている特別展「夢見るフランス絵画~印象派からエコール・ド・パリへ 」。


同じ”兵庫県立~”・・・共同企画なのか、単なる偶然なのかわかりませんが、フランスの芸術つながりということで、続けざまにこれも観に行ってきました。


ラヴェルの音楽を思い浮かべながら、モネやルノアールなどの印象派の絵を観てほくそ笑んだりしたわけですが、印象派なら印象派だけという展覧会が多い中、表現に共通点の多い印象派の画家たちと、それぞれに独創的なエコール・ド・パリの画家たちの作風の対比が興味深かったです。


私は印象派ではモネ、エコール・ド・パリではユトリロが好きで、今回の展覧会でもやはりよいなと思ったわけですが、それ以上に、そのどちらでもないフォーヴィズム(野獣派)のヴラマンクという画家の作品が印象的でした。


ユトリロとともに佐伯祐三の作風に影響を与えた画家ということで、私の感性に訴えかける共通因子があったのでしょう。






そして、「夢見るフランス絵画展」と相互割引を行っているということで、神戸市立博物館 で開かれている「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎 」も観てきました。


一見、フランスとは関係ないようですが、当時の浮世絵は、欧米の多くの芸術家にインスピレーションを与えており、その中でもこの北斎の代表作の一つ、「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は"Great Wave"と呼ばれ、特に親しまれている作品です。


この絵はPACの演奏会で聴いたドビュッシーの交響詩「海」のスコアの表紙にも描かれており、ドビュッシーが曲の着想をこの絵から得たという説もあるようです。


第3楽章の「風と海との対話」のクライマックスの部分などがこの絵の情景に合うでしょうか。


フランス音楽と北斎...つながりました。



というつながりで、1つの演奏会と、2つの展覧会を聴いて観てきたわけですが、こういう知や感性のつながりに出会ったり、発見したりすることは実に楽しいものですね。


興味も理解もぐんと深まります。