ダック・コール | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)/早川書房
¥777
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Book1stでイチオシみたく置かれていたので買ってみた本です。


石に鳥の絵を描く不思議な男と河原で出会った青年が、その男が描いた石の鳥を見ているうちに、その温かで生き生きとした姿に魅せられ、夢幻の世界へと誘われ、6つの夢を見る。

ブラッドベリの「刺青の男」にヒントを得たというこの作品集には、周りになじめなかったり、道を外したり、異常な状況におかれたりと、好むと好まざるとにかかわらず社会の傍流を漂う男たちの物語が、ハードボイルド調ななかにファンタジーの要素も織り交ぜながら、多彩に描かれています。

そして、これらの作品にはいずれも鳥が登場します。

大空への憧れや自然の優美さの象徴としてばかりではなく、どちらかというと原初的な人間の生活との関わり、つまりは狩猟の対象として登場することのほうが多いのですが、それでも、これらの鳥たち、そして鳥たちが棲み、飛び交う自然の描写はとても美しく、暗く沈んだ雰囲気になりがちなハードボイルド小説の中に豊かな彩りを与えています。


この作品を読んで、鳥たちの美しい姿に魅了された私。

これまで無知、無関心だった鳥に興味が芽生え、身近な鳥の鳴き声に耳を澄ましたり、時折、双眼鏡を持って河原に出かけたりするようになりました(笑)