続・悩む力 | Archive Redo Blog

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続・悩む力 (集英社新書)/集英社
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「悩む力」の続編です。

「悩む力」は、およそ100年前、近代社会のとば口を生きた二人の炯眼の持ち主、夏目漱石とマックス・ウェーバーの共通点を見出し、彼らの見据えた時代とその時代を生きる人々の悩みというのが、実は現代にも(より先鋭化した形で)当てはまるということを指摘したものでした。

「続・悩む力」は、夏目漱石とマックス・ウェーバーの思想を軸に前作の内容を踏襲しつつ、幸せとは何か、そして人間とは何かということについて、さらに深く探求したものとなっています。

前作は、今に比べるとまだましな社会情勢であったことから、夏目漱石とマックス・ウェーバー、100年前と現在の共通点を明らかにするという作業に力点が置かれており、人生訓的なものについては柔らかく語られていたように感じました。

しかし、今作は、リーマンショックや東日本大震災も経験し、経済の行き詰まり、自然の脅威に対する人間の無力さ、科学に対する信頼の失墜といったことを痛感させられた後ですので、根源的な問いに対してより真摯に向き合おうとする姿勢が強く感じられました。

それが力みや押しの強さのように感じられ、個人的には苦手な方向に転調してしまったなぁという印象を受けました。

でも、いいこといっぱい書いているんですよ。

菫程な小さき人に生まれたし...