諸子百家 | Archive Redo Blog

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諸子百家―中国古代の思想家たち (岩波新書 青版 437)/貝塚 茂樹
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儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)。

春秋戦国時代に花開いた古代中国の思想について、近年相次いで発掘された古代文献の研究成果を含めてわかりやすく解説した本です。

個々の思想家を扱った本ほど詳しく説明されているわけではありませんが、単にこれらの思想について説明するだけではなく、これらの思想が生まれた時代背景やその成り立ち、そしてそれぞれの思想の関わりがよくわかります。

我々日本人が学校教育において、その思想に触れる機会があるのは、孔子くらいなものですが、二千年以上も前にこのような多彩な思想が生まれていたなんて、ただただ驚くばかりです。

中でも個人的に印象に残ったのは道家の思想です。

文明を批判し、世界の真理を追究するその思想は、現代社会に生きる我々にこそ強烈なインパクトを与えるものかと思います。


しかし、現代の中国を見ていると、これらの豊かな思想も、形式的には現代まで受け継がれてきてはいますが、中国人の国民性の底流をなす思想として脈々と受け継がれてきているというようには見えません。

中国人の国民性の本質はこれらの思想とは別のところにあるのではないか、そのような気がしてなりません。

覇権主義的傾向を強める中国には、今こそ墨家が説く”兼愛”の思想を見直してほしいものです。