新装版 軍師二人 (講談社文庫)/司馬 遼太郎- ¥770
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個人的にはともに播州三木城に籠城することになった雑賀衆と本願寺の僧の生きざまを通して当時の一向宗(浄土真宗)の宗教観を描いた「雑賀の船鉄砲」、茶人でありながら大名となった古田織部正重然の歪んだ美意識を描いた「割って、城を」などが印象的でした。
この本にはあとがきや解説がなく、作品の背景などはよくわからないのですが、本文中でもしばしば引用されていることから、「常山紀談」という江戸時代に書かれた逸話集の影響が多いのではないかと思われます。
この「常山紀談」、現代語訳で気楽に読めるような本が出ていればぜひ読んでみたいものですが、どうも古書しかないみたいですね。
資料としてはともかく、読み物としてはそれほど面白くないということなのでしょうか...