しかし、X Window System 上で動作するアプリケーションを自分の Windows マシンから使おうと思ったら、Windows 上に X Windows System の画面を表示・操作する仕組みを用意しなければなりません。
それにはいくつかの方法がありますが、Windows 上で動作する X Server を使うのがわりと一般的なやり方のようです。
Windows 上で動作する X Server にもいろいろな種類があるようですが、そのうちの1つ、Cygwin という Windows に UNIX ライクな環境を提供するツールに含まれる Cygwin/X というものをちょっと使ってみました。
CygWin のインストール
まずは Cygwin のインストールですが、とりあえず、Cygwin(2.573.2.3) のインストール手順を簡単にメモしておきます。(X Server を使用するということ以外はごく一般的な設定でインストールしています。)
1. http://www.cygwin.com/ から setup.exe をダウンロードする。
2. setup.exe を実行する。
3. [次へ]ボタンを押下する。
4. [Choose Installation Type]画面が表示されるので"Install from Internet"を選択し、[次へ]ボタンを押下する。
5. [Choose Install Directory]画面が表示されるので以下の通りに入力・選択して[次へ]ボタンを押下する。
- Root Directory:Cygwinをインストールするディレクトリを指定する。
- Install For:"All Users (RECOMMENDED)"を選択
- Default Text File Type:"Unix / binary (RECOMMENDED)"を選択
7. [Select Connection Type]画面が表示されるのでインターネットへの接続方法(通常は"Direct Connection")を選択して[次へ]ボタンを押下する。
8. [Choose Download Site(s)]画面が表示されるのでダウンロードサイトを選択し、[次へ]ボタンを押下する。
9. [Select Packages]画面が表示されるのでインストールするパッケージを選択し、[次へ]ボタンを押下する。
※デフォルトでは X11 がインストールされないので、"X11"カテゴリの右の"Default"をクリックして"Install"に切り替える。
10. [Create Icons]画面が表示されるのでデスクトップやスタートメニューにアイコンを作成したい場合はチェックして[完了]ボタンを押下する。
以上でインストールは完了です。
Cygwin の起動
Cygwin を起動するには、Cygwin のアイコンをダブルクリックするか、もしくは Cygwin をインストールしたディレクトリにある Cygwin.bat を実行します。Cygwin が起動すると、Cygwin のコンソールが画面に表示されます。
X Serverの起動
Cygwin が起動したら、Cygwin のコンソールで以下のシェルを実行し、X Server を起動します。$ startxwin.shこれにより、Cygwin を実行しているマシンの画面上に xterm のウィンドウが表示されます。

X アプリケーションの起動
X Server が起動したら X アプリケーションを起動します。手順は以下の通りです。
1. X Server 上の xterm で以下のコマンドを実行し、X Server の接続許可リストに X アプリケーションを実行する Linux サーバーを追加する。
$ xhost Linuxサーバーのホスト名またはIPアドレス
例)
xhost 10.0.0.1
2. SSH で Linux サーバーに接続する。
3. X アプリケーションを X Server 上に表示するために、DISPLAY 環境変数を設定する。
$ export DISPLAY=X Serverのホスト名またはIPアドレス:0.0
例)
export DISPLAY=10.0.0.100:0.0
4. X アプリケーションを起動する。
例)xclocksを起動する。
$ /usr/X11R6/bin/xclock &
起動した X アプリケーションが、X Server 上に表示されれば OK です。

以上、すべてうまくいってから書くと簡単に思えますが、どうも クライアントで実行するのに X Server というのが方向感覚を狂わせるのか、実際にはなかなかすんなりとは進みませんでした^^;