データはウソをつく | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


データはウソをつく―科学的な社会調査の方法 (ちくまプリマー新書 59)/谷岡 一郎
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参院選間近ということもあり、テレビや新聞などで内閣支持率、支持政党、投票に行くか行かないかなど、選挙に関する意識調査の結果がよく報道されています。


しかし、こういう数字というのは報道する側の意図によっていかようにもあやつれるものです。


いちいち鵜呑みにしていると、判断を誤ることにもなりかねません。


(というか、こういう数字を報道することが公職選挙法にひっかからないのが不思議ではあるのですが...)



この本は、そういったまやかしのデータにだまされないようにするためにはどうすればいいかをわかりやすく解説した本です。


個人的には、この手のデータの扱いについては多少の心得があったため、特に目新しい発見があったわけではありませんが、漠然と抱いていた考えを整理し、論理的な裏付けを得るという意味では有意義な本でした。


(随所に挿入されているいしひさいち氏の4コマ漫画が絶妙です。)



筆者は、データに騙されず、役立つ情報とゴミを嗅ぎ分けるには、「教養」、「リサーチ・リテラシー」、「セレンディピティ」の3つの能力が重要だとしています。


「教養」は一般的に言われる教養、「リサーチ・リテラシー」は、数値を正しく読み、ウソを見破る知識です。


最後の「セレンディピティ」は馴染みのない言葉ですが、筆者は理論を越えたところで素早く必要な情報と不要な情報を嗅ぎ分ける能力だとしています。


そして、この能力を鍛えるには「考えるくせ」をつける必要があると言います。


私も常日頃、世の中の出来事について、事実をそのまま鵜呑みにせず、自分なりに考えるよう心掛けてはいるつもりですが、果たしてどれだけセレンディピティが身に付いていることでしょうか?