何故だか今年は大河ドラマ を見続けています。
「義経」
義経に関しては断片的な逸話は見たり聞いたりして知っているものの、小説なり伝記なりでその人生に通しで触れたことがありません。
いい機会だから大河を通じて義経を知ろうと見始めたのですが、そう言いながら途中で挫折することが圧倒的に多いのに今回は今まで続いています。
とかく美談として語られることの多い”悲劇の英雄”義経。
このドラマでもやはり美しき英雄物語として描いています。
史実がどうのこうのはともかく、ドラマとしてはその方が面白いものです。
タッキー義経も上手いとは思わないけど何か見るものを惹きつけるものがあります。
”悲劇の英雄”義経の伝説的なイメージにピタッと当てはまっているということなのでしょうか。
脇を固めるキャスティングもなかなか素晴らしい。
平清盛(渡哲也)にせよ、源頼朝(中井貴一)にせよ、藤原秀衡(高橋英樹)にせよ後白河法皇(平幹二朗)にせよ、武蔵坊弁慶(マツケン)にせよ、見事なくらいにぴったり当てはまっているように思います。
この調子なら多分最後まで見れそうです。
そんな今日この頃、本屋でふと文庫本の司馬遼版「義経」に目がとまりました。
大河の原作は宮尾登美子さん(「宮尾本平家物語」)なのですが、司馬さんならどう描くのだろうと買って読んでみました。
しかし...
「上巻」を読み切ったところで年内封印を決意。
動かしがたい史実の部分は一致するものの、その他の描き方が全くと言っていいほど違うのです。
特に決定的に違うのは描かれている義経像。
大河版義経が”伝説の英雄”義経とすれば、司馬遼版義経は”人間”義経。
タッキー義経とは全く違う、感情の赴くまま一途に生きる戦の天才ながら政治バカ、好色の義経なんです。
ゆえに伝説的な美談など一切盛り込まれていません。
牛若と弁慶の五条橋の対決すら出てこないのです。
ということで、司馬さんらしい人間臭さ溢れる義経の描き方はとても好きなのですが、今最後まで読んでしまうと大河の義経がとても滑稽に思えて面白味に欠けてしまうような気がしたのでちょっと休憩することにしました。
上巻の終わりはこれから木曽義仲を討とうかというところ。
ちょうどよかったかもしれません^^ゞ