あまりかん。―尼崎青春物語/高須 光聖- ¥1,512
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ダウンタウンの出演する番組をはじめ、数多くのテレビ番組を手がける構成作家、高須光聖氏が故郷尼崎で過ごした自らの青春時代を綴った本です。
高須氏はダウンタウンの2人と同級生なのですが、この本には、ダウンタウンの2人をはじめ、高須氏の同級生の個性的な尼っ子たちが登場します。
そして、彼らを包み込む当時の尼崎の街の風情・人情が、いい面、悪い面をひっくるめて満ち溢れています。
全体に軽いタッチで綴られており、一見とりとめもなく、他愛もない青春物語なのですが、時折、人の強さ・弱さ・温もり・優しさ・痛み・悲しみ・恥じらい...というものが胸にグサッと突き刺さります。
緩急と言いますか、組み立ての妙と言いますか、この辺は構成作家としての高須氏の手腕なのでしょう。
なかなか楽しんで読むことができました。
そして、この本には個人的にもう1つ楽しめる要素がありました。
全く意図はなかったのですが、私は今、偶然にも彼らが青春時代を過ごした街に住んでいるのです。
そのことはごく最近知ったことなのですが、その直後にこの本の出版です。
そりゃぁ、読まないわけにはいきません^^
駅や駅前を中心に再開発が進み、当時とは比較にならないくらいきれいになったこの街ですが、彼らが通った小学校、彼らが遊んだ公園、高須氏の家族が営む果物屋、高須氏の同級生が営むホルモン焼屋などは多少形は変われども今も健在です。
というわけで、文中に登場する彼らが青春時代を過ごした場所の数々を「ああ、あそこのことか^^」と今の風景とシンクロさせながら、なおさら興味深く読むことができました。
いやぁ、しかし、私は今ある意味日本のお笑いの聖地に住んでいる訳なんですよねぇ...
感慨深いといいますか、この街により愛着が沸いてきたような気がします。
ついでに笑いのセンスもアップすればありがたいのですが(笑)