フラット化する世界 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録




ベルリンの壁の崩壊やITの発展はこの世界のサイズを急速に縮め、あらゆる国の人々との共同作業を可能にしました。


企業や個人はそれに順応する形で新たなビジネスモデルを展開しはじめています。


その結果、中国やインドがグローバルな競争力を獲得し、先進国の人々の仕事はどんどんと奪われつつあります。

このような世界の変化を筆者は「世界のフラット化」と表現しています。


この本では、世界がどのようにしてフラット化したか、フラット化は我々に何をもたらすのか、フラット化した世界で生き延びるために必要なことは何なのかを具体的な例を挙げながら詳細に論じています。


非常に示唆に富んだ内容です。


アメリカ人がアメリカで出版した本だけにアメリカ人を対象とした内容となっていますが、その内容の多くは日本人にも当てはまります。


筆者は特に、フラットな世界において競争優位性を保つために必要なイノベーションの原動力となるエンジニアや科学者を目指す人材の不足、そしてそういった人材を育成するための教育の質の低下に危機感を持っているようですが、これも2007年問題やゆとり教育が招いた児童の学力低下に危機感を持つ日本と非常によく似ています。


幸い、日本には日本語という障壁があり、アメリカほどはフラット化の波に晒されている実感はないと思います。


しかし、私の職場にはインド人システムエンジニアが来ています。


彼らは見た目は穏やかそうですが、仕事には貪欲で、日本語の習得も早いです。


そんな彼らが日本語と日本でのビジネスのノウハウを習得し、仕事ごとインドに持ち帰ったなら、並みの日本人エンジニアは職を失うことになるかもしれません。


他人に容易にマネのできない何かスペシャルなものを身に付けておかないと将来やばいかも...と思わせる、フラットな世界で生きる人々すべてにオススメしたい一冊です。