建築家とイエ創りを始めよう!Vol.21(番外編_5) | 建築家との家創りって?

建築家とイエ創りを始めよう!Vol.21(番外編_5)

前回、クライアントとして、どんなカタチで要望を伝えるとよいか、事例をもとに説明しました。
今回は、その要望について、ヒアリングした建築家が、その後どう考えていくかといった辺りを説明していくことにします。

事例の条件や要望は前回のBlogを参照ください。



まずは、条件からですね。


敷地面積は、すでに敷地を調査していますので、その面積と異ならないかを確認しておく程度でOKです。
ただ、一つ注意が必要なのは、いわゆる「登記面積」(登記簿の面積)と実際の面積が異なることが往々にしてあります。


特に狭小地の場合は、イエの計画に大きな影響を与えてしまいますので、可能であれば、測量屋さんにキチンと測量してもらうことをオススメします。


「希望延床面積」ということで記載していますが、この段階では、具体的な数値はなくてもよいです。(もちろんあってもいいです)
強いていえば、「現在の住まいより大きく」とか、「このチラシの面積より大きく」といった程度でもOKです。

事例の場合は、前回説明しましたが、ハウスメーカーに計画案を作成してもらっていたので、要望を盛り込むと、
これくらいの大きさになる!というイメージが把握できているだけです。
もし、そういった資料があれば、建築家に渡して下さい。



次に、家族構成。


当然といえば当然ですよね。部屋の数が変わってきますからね。
例えば、「現在子供は一人だけど、将来もう一人を予定している」とか、「将来親を呼んで一緒に住むことうを予定している」等、将来「増えそう」な要素があれば、必ず伝えて下さい。
後で、そうなった時に、居場所が不足していると、大変ですからね。
これは結構大切な要素ですので、ご注意ください。



その次の条件は、以前から伝えていますが、

最も大切なこと、「予算」です。

事例の金額は、あくまで「建物を建てるための金額」のみということは、分かってもらえると思います。
以前、このBlog内でお伝えしたと思いますが、イエを建てる時には、この費用以外にも、登記の費用や地盤調査委費等、いわゆる「諸経費」が必要にります。
詳しくは、以下を参照ください
↓↓↓↓↓
http://www.ntas.info/


もちろん、全てをコミコミの金額で提示してもよいのですが、自己資金がこれだけで、借入れがこれだけで。。。なんて話を持ち出したくないと思いますので、諸経費分を除いた、事例のような工事費を提示するのがよいと思います。
(弊社の場合は、個別で相談してもらえれば、全ての予算から諸経費を含めた「資金計画書」を作成して、お渡しします)


また、この諸経費の中には、クライアントでないとわからないことや、建築家の手配先で金額が異なる項目があったりしますので、個別でキチンと協議しないと、曖昧な内容になってしまうことも理由の一つです。


また、消費税が込みなのか、含まないのかはハッキリさせておきましょう!!
(消費税も結構大きな金額ですから)



さて。

これで条件が整いました。


次のステップは、「希望延床」面積ではなく。「予算から導き出した延床」面積を算出します。


予算から、どれくらいの規模のイエが建つのかを「想定」していきます。


この場合は、予算が2800万円。
まずは、建築工事費(建物に掛けられるお金)を算出していきます。


2800万円÷1.05(消費税)÷1.1(設計監理料)=2420万円(税別・設計監理料別)


この金額は、外構(ウッドデッキや駐車場のコンクリート舗装等)を含めた金額なので、
外構費用をザッと想定して、100万円。(このザッとが難しいかもしれませんが。。。)


すると、建物に掛けられるお金は、


2420万円-100万円=2320万円


となります。


では、何坪のイエが建つと思いますか??


各建築家は、「これくらいの仕様であれば、これくらいの坪単価でいけるはず!:といったバックデータを持っています。(当然ですが、各建築家でずいぶん異なります)


要望を見ながら、そのバックデータをもとに、どれくらいのグレードで進めていくかを決定します。


注意が必要なのは、この段階で、あまり安く設定しすぎないこと。

(某ハウスメーカーのCMで「坪30万」見たりすると思いますが、実際はその金額では建たないのが現実のようです)


あくまで最初の想定段階ですから。最後に予算内に納まらないと困りますよね。
弊社の場合は、ある程度以下には設定しないようにしています。


弊社の場合平均は、60万/坪。


これくらいの金額でないと、ペアガラスやキチンとした断熱性能をもったイエは難しいと思います。


2320万円/60万円=39坪


39坪まではいけそうです。



外構工事を将来工事にすれば、


2420万円/60万円=40坪


までいけそうです。



要望の面積が、40~45坪とのことなので、外構を将来工事にすることを視野に入れて、
40坪前後を目安に計画していくことに決定します。


今日は、条件から、どのくらいの規模のイエが建てられるかを中心に説明しました。
長くなってしまいましたので、今回はこの辺で。

次回は、クライアントの要望を、どう読み取っていくかを説明していきたいと思います。

お楽しみに!


※今回の内容で、坪60万円というのは、あくまで想定です。要望や計画内容によって、ずいぶんと異なります。
その金額を確約できるといった内容ではないので、その辺はご了承ください。