朝10時から卒論生の中間発表会から後期が始まりました。
僕は学部のときは卒業設計か卒業論文の二者択一で、卒業設計を選んだので、中間報告でも聞いていていろいろためになりました。
その中で次のようなテーマで発表していた卒論生がいました。
【建物をつくる過程での、「設計→施工→運用」のサイクルを省エネルギーの観点から明らかにすること】
この研究背景は、省エネ設計のサイクルは存在するけれども、それがうまくいっていないとおもうからであって、この研究を通じて次の設計への知見に生かすようなものをえよう、というものでした。
そのための研究方法としては、実際に一室空間や素材をいったものがだいたいシステム化されているという理由で難波和彦氏が設計している「箱の家」シリーズで検証するみたいです。
でも、この研究は考えてみれば設計者が次の設計ではより熱負荷や通風などを改善していくのは当たり前であって、またプランの似た「箱の家」で検証するといっても、建物の敷地条件はすべて異なるのだからすぐには一般化できない、といったことを先生から指摘されてました。
確かに現状では省エネ設計を行うにあたって、環境工学的アプローチとデザインの融合がうまくいっていないのが事実です。
CASBEEの評価によっていくら省エネの建物だと言われても、できたものがかっこよくなければ、普及しないし、事実普及していません
。また、エンジニアリングに重きをおきすぎると、今度は周辺環境との兼ね合いが薄くなってしまいます。
で、まさにそのギャップを埋めようとする第一歩が今回の研究テーマなのですが、逆に僕だったらどういうアプローチを取るかを考えたときに、ものすごく難しい問題だと感じました。
あまりにもシステマティックにしてしまうと、均質で初期モダニズムのようなつまらない建物であふれてしまうし、かと言ってある程度まではこのサイクルでの省エネについて明らかにしないといつまでたっても概念レベルのサステイナブル・デザインで終わってしまうし。
要するに、ある程度のリダンダンシー(冗長性)をもたせつつ、どこまで省エネという観点でデザインを操作できるか、つまりどこまでデザインに自由度を与えるかにかかっているとおもいます。
これはCASBEEなどでは自由度が緩すぎる(工学的評価に偏りがちでデザインに反映されていない)ので、もう少しデザインを拘束するような評価ツールをつくることも必要だとおもってます。
この研究が進めば、サステイナブル・デザインの可能性が見えてくるような気がします。
後期もしっかり頑張らないと~~!!