1。 外観及び構成品
- 通常版のプラスチック シェルからHEYDAYはメタルシェルに変わり、ガンメタルの
黒色メッキだそうですが、有光のラッカーを塗ったようにテカリしていて少し安く
見えますね。もちろん好きな人もいるでしょう。
- 通常版は銅線ケーブル、HEYDAYは銀メッキ線材のプラグ交換式が提供されますが、
最近のトレンドである色まで色合わせではありません。これはコラボした人と
メーカーのコンセプトかもしれないからノーコメント。
- イヤーピースは同じAET07/08系の2種が基本でHEYDAYはフォームチップが抜けて
AET07系のミディアム サイズがその場にもう一つ位置していますね。
穴埋め用のようです。効用性があまりなさそうですね...(丸A)
- そしてHEYDAYには最近、KZ EDCXから見ることができる安価なショートタイプ
ワイドボア ミディアムサイズのイヤーピースが追加で提供されますが、中高音域と
10K周辺のディープを補完する機能を持っています。だがテストの結果HEYDAYは
大きな効果はなかったこと。入れてあげるならサイズ全部入れてあげるか...(丸B)
- HEYDAYのポーチは黒の外付けハードディスク用ポーチのようにEVAに変更され
ましたが、通常版の合成皮革材質の高級感がなくなりました。 これは好き嫌いの
概念でしょうがとにかくポーチ自体の価格的にはかなりコスト削減したケースと
見られますね。
2。 通常版対比変更のポイント
紫色の丸が通常版、黄色の丸がHEYDAYバージョンです。
ダストフィルターは上官腕児にも適用されているメッシュフィルターから
スデン材質にアップ。その他シェルの圧解消ホールとレリーフの位置や大きさなどが
少し変更されているがコラボしたFRに合わせるための製作上の意図と見られます。
3。 SPEC 16オーム / 感度100dBで通常版と同じです。
平板型なのでボリュームを上げるにはポータブルDACでもつけると楽。
4。 周波数特性テスト (IEC711イヤーシミュレーター + サインウェーブテスト)
1) 基本イヤーピースのうち、AET07系のバランスタイプで実聴音と機器測定テストを
行いました。コラボしたHBBが公開したFRとほとんど違いがなく事前配布サンプルの
一部発生していた左右偏差も大きく非の打ちどころは見当たりませんね。
HBBスタイルのバランスが好きな人なら納得のいくバランスだと思います。
空気感は足りない方。
2) だが…発売前に公開されたHEYDAYのFRで個人的に心配した部分である8K共振が
通常版と同じです。これに対する問題(または物足りなさ)は後で記述します。
ちなみにHEYDAYと上関完児の比較
- FR測定の前に聴音を先にしながらどこかでよく聞いたスタイルのような感じの気に
なったが上関完雅と低音~中音域、8K共振から10Kディープまでほぼ同じですね。^^;
5。音の表現力
1) 通常版
- 音像(ボーカルの中央焦点) : 良好
- イメージング(定位を含む) : 良好
- サウンドフィールド1(左右のステージ) : 優秀
- サウンドフィールド2(上下の拡張) : 良好
- 分離度(解像度を含む): 優秀
- 残響 : 適当
2) HEYDAY
- 音像(ボーカルの中央焦点) : ボーカルだけでなく全体がバッキングされて
後頭部に残る感じの音像
- イメージング(定位を含む) : 良好
- サウンドフィールド1(左右のステージ) : 優秀
- サウンドフィールド2(上下の拡張) : 不足
- 分離度(解像度を含む): 優秀
- 残響 : 思ったより多い
6。 デスマッチの結果 - 通常版の勝利
通常版に比べHEYDAYの物足りなさは…
- 極めて個人的な観点なので単純参考にしてください ^^; -
1) 先に指摘(?)したおとなしく沈めた中高音域に比べ、8K共振が通常版と差がない
ことから、大体鋭く神経質な感じが強いです。 HEYDAYの量産版では8K共振が
バランスよくコントロールされることを期待していましたがそのままですね。
この感じは初期に発売された一部の平板イヤホンの中高音域チューニングが足りず
8K共振が強い時の感じの再來というか…。
HBBの過去のコラボだったTRIPOWIN MELE/OLINAの場合、中高音域が大人しく
なった分8K共振もうまくコントロールされ、スムーズに超高音に移るチューニングに
なり、リスニング系では私もかなり好むスタイルで未だにOLINAを愛用していますが、
今回のHEYDAYコラボは···刺激的ですね。
2) 音像がボーカルだけでなく、全体が後退して頭の中央や前方ではなく後頭部の方に
結ばれるのを感じたので私の耳がおかしいのかと思い、いくつかの機器を同じ
イヤーピースで何度も比較聴音してみてまさかと、ケーブルもいくつか変えながら
テストしてみましたが、全体音像の弱いバッキングがありますね。
新しいドライバーを採用したそうですが、そのせいか何のせいかはわかりませんね。
3) メタルハウジングに変わり、新型ドライバーの反応速度がリスニング系に
チューニングされたようにやや遅い方なので低音域の響きは良い反面、
残響が長く残る方なので、切り結びが弱い方ですね。(特にベースがおとなしく
押さえられているにもかかわらず飽和感が若干ある傾向ですね)
4) 低音、中高音~高音域と超高音域が生きていた一般版対比8K共振ピックだけを
生かしておいて、すべておとなしくチューニング形態は音の上下音場がかなり減って
まるで海辺の水平線(平たい)を見る感じが.....
5) 前述したように一部の構成品がコスト削減され、さらに安価な
ワイドボア イヤーピースさえもサイズ別にきちんと用意せずミディアム サイズを
一つ与えるのは一体どんな意味なのか気になります。
6) HEYDAYは少数の好みに合わせるために多くのことを犠牲にしたもったいない
機器だと思います。 個人の好みによって聞きやすいイヤホンかもしれませんが、
私は通常版の手を挙げます。
通常版は特に欠点のない本当によくできたイヤホンだからです。