1。 外観
左:QCY HT05 vs 右:SOUNDPEATS CAPSULE3 PROとの比較
- AirPods Pro系のTWSと大差ないサイズでフィット感は無難。
価格のある製品に比べ仕上げのディテールが粗末なところが見える。
おそらく他製品の射出金型リサイクルによるものではないかと.....
2。 SPEC
AAC/SBCコーデックのみ対応していますが、
ユーチューブ ミュージック程度は楽でしょうね。
3。 周波数特性テスト
1) 基本的なFRはハーマン インイヤー ターゲットを見事に追随します。
3K~6K区間に若干浅いディープがあり7K~8K区間の共振ピックはかなりよく
抑制されています。空気感はやや足りない。
全般的にリスニングに良いバランス チューニングだと思われます。
2) QCY HT05のテスト結果、左右の音圧差が非常に少ない機器で
先日テストしたSOUNDPEATS CAPSULE3 PROと似た程度の一貫性を
示しました。サインウェーブテストで15Kまで不合理なミスマッチが
なかったので管理がよくできましたね。
(ただのテスト結果は全て良好だと評価)
3) 低音域帯がハーマン ターゲットに比べて若干足りずロールオフが
大きい部分は好き嫌いがあり得る。一般的なイヤホンに比べて6Kを
生かしたチューニングは女性ボーカル(特に日本女性ボーカル)に特に
有利に作用すると思われます。(QCYがいよいよ日本にも気を使っている模様)
4。 アプリの機能とANC性能などについて
1) アプリは基本的にサウンドフィッツなどに似ているため省略。
2) ANCは広告でmax40dB。3つのモードが提供されて
100~200Hzおよび1KHz前後は体感33~35dB程度で良好。
3) 低遅延ゲームモードの場合リズムゲームには微細なディレーが
感じられます。一般使用時のディレーはほとんど体感できないほどの
レイテンシーですね。
5。音の表現力
- 音像(ボーカルの中央焦点) : 良好
- イメージング(定位を含む) : 良好 (場合によって少し物足りない)
- サウンドフィールド1(左右のステージ) : 良好
- サウンドフィールド2(上下の拡張) : 良好
- 分離度(解像度を含む): 良好 (場合によって少し物足りない)
- 残響 : 適度
6。QCY HT05 MELOBUDSはこんなイヤホンです。
1) リリースから少し時間が経ってレビューをするようになった理由は 2 つ。
- イヤホンの最も基本性能指標であるFRが今までQCYでは見られなかった
ハーマン ターゲット指向のバランス。
- LCP振動板と日本大黒電線のボイスコイルが採用されたドライバー性能
への期待。
** LCP振動板は経験上ボーカル表現が良い方で、ダイコクのボイスコイルは
水月雨のKXXS/KATO及び最近テストした製品の中で超優秀なイヤホンである
HZSOUNDハート ミラー プロにも採用された部品です。
2) しっかりとしたボーカルの表現力と倍音も良く、
ハートミラープロと同様にトン~と落ちるベースのもち感は
TWSでは新鮮な経験でしたね。
3) 今まで経験したLCP振動板を採用したイヤホンの場合、大編成や
速いビットでちょっと物足りなさが残る方でしたが、HT05も同様の
特性を示しました。 反応性の良いボイスコイル性能に反して振動板の
反応が遅い時に現れる定位と解像力のボーケが少しある方です。
4) テストと聴音を経て、KZが最近覚醒して発売した製品のように
QCYもついに覚醒を始めたという感じを強く受けました。これまでの
月間QCYとは異なりHT05は音響性能の基本についてたくさん悩んで
作ったということが色々な面で見られました。
5) ゆったりとしたリスニング系のチューニングであるだけに
小編成/ボーカル中心の好みなら満足度がかなり高く、
良好なANC性能、ユーザー フレンドリーなアプリ機能を備えており、
高品質音源の支援はできませんがユーチューブ(ミュージック)は
十分に楽しめる超コスパ アイテムなので購入しても後悔ないと。