特撮アーカイブセンターに触発される(笑) | MODELと日々の徒然と

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鉄道模型・ミニカーと日常のそのほか

 そろそろ4月も終わりだというのにまだ帰省ネタを引きずっています(大汗)

 昨年の秋に亡父の法事で帰省の折に立ち寄った須賀川の「特撮アーカイブセンター」


 今回も帰省の帰途で立ち寄りました。
 ただでさえタイトなスケジュールなのに、わざわざ二回目の寄り道をする事になったのですが、実は昨秋の時にわたしのうっかりミスで見ていなかった重要な展示物があったのを知った事から、たとえ短時間でもそれを見て行きたいと家族を説得してようやく実現させたものです。
 その「見ていなかった展示」とはセンターの2階に据えられたジオラマ。

 これと同じ原理の物は以前の特撮博物館の展示でも見ているのですが、今回のはまた構成を変えてよりパノラミックに構成されたもので印象もまるで違います。
 地上の視線で眺めるとどうという事のないミニチュア風景ですが奥に行くほどスケールが小さく作り込む事で実際以上の奥行き感とパノラマ感を演出する「強遠近法」というテクニックの実演モデルです。

 


 一見遠くまで続いている様に見える道路も上から見ればこの通り。奥に行くほど道幅は狭く、クルマも小さくなっているという寸法です。
 種明かししてしまうとちゃちな様に見えますが実景でも遠くの建物や車が細部まで見えるなんて事はありませんし距離に伴うミニチュアの比率さえ計算していればかなりの効果が見込まれそうな技法です。

 前回の特撮博物館では「ミニチュアの家の中から遠くの風景を見せる」という演出でしたが、今回のは「丘の上の家や公園から下の街並みを見下ろす」アングルが使われており前回よりも効果的でした。
 思えばこういう見晴らし台のようなロケーションは、ちょっとした田舎であれば日常的に観られる構図だと思います。
 

 元々が特撮映像で使うテクニックなので、効果が得られる視点が限られるのがこの技法の弱点ですが、視点が一定の範囲で保たれていればライブでもかなり臨場感のあるジオラマ体験ができます。
 その点で言えば今回の様な「丘の上から風景を眺める」と言うアングルの設定の強遠近法はレイアウトでも使えそうなテクニックではないでしょうか。
 レイアウトと言えども(いや、レイアウトであるがゆえに)視覚的な臨場感は重要な気がします。

 「疑似風景の中で主役が動きまわる」という点では怪獣もレイアウトの列車も同質のものといえますし。

 今回は短時間の見学でしたが、わたし的には大いに触発されるものがありました。

 勿論手前側はそれなりのラージスケールの方が良いでしょうけれど、Nゲージのレイアウトでなら手前側が43分の1とか80分の1スケールでも遠近感は出そうですし、遠景の建物にはZゲージや特撮ガチャの建物類(最近はこんなものまで製品化されています)が転用できそう。
 尤も、シーナリィや建物が自作できれば更に思い通りの風景になるでしょう。

 ただ、怪獣映画と異なりここでの主役は「風景の中を走る列車」なので、風景の中の遠近法とどう組み合わせれば効果的かは考える必要はあると思います(少なくとも手前から奥に列車が去って行くような構図はこの場合は感心しませんね)


 例えば上の写真のような構図でなら効果的に使えそうな気もします。

 (今気づきましたが田舎だとこういう風景には事欠きませんね)