C52型蒸気機関車のはなし・2 | MODELと日々の徒然と

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 前回の続きです。
 

 上の写真はC52の原型である8200のマイクロのモデルです。これだけ見ると見るからにアメリカからの輸入機という風情ですがこれが後の改造でスチームパンク風味のサイボーグみたいになってしまうのですから不思議なものです。

 今回はまず、余談から始まりますが河野転生の「機関車、草原に」というSF小説で近未来、極冠崩壊による高潮で放棄され廃墟と化した東京で、元機関士の老人が浮浪児たちと共にレストアした蒸気機関車で旅に出るという話があります。この作品ではD51・C62・C57と共にC52も登場するのですが、扱いは小さいものの恐らく小説でC52が登場するのはこれ位ではないでしょうか。
 ただ、残念な事にはこれが書かれた当時ですら当のC52は全機廃車され現存していない上に重量などの関係で元々東海道・山陽本線しか走れなかったらしいC52が沿岸部のローカル線を走ろうとするという設定にも無理があるのですが、それでも私にとってはこの作品もC52に関心を持つきっかけとなったものとして印象に残ります。

 さて、モデルは入線させたもののその時点でもC52の実物の手元にある写真は「昭和鉄道史」掲載の一枚だけでした。
 モデルを入線させて改めてC52の魅力を確かめた私でしたが、どうしても実物の写真や資料が欲しくなりいろいろ探したのですが、見つからなかったりとんでもなく高価だったりとこれまた難航しました。 

 

 それでも探し始めて2年位経った今年の初めにやっと「蒸気機関車」という雑誌でC52・53の特集号があるのを見つけました。定価より高かったですがそれでも他の資料や写真集に比べるとはるかに安価だったので助かりました。

 この雑誌では補機として活躍するC52の姿が数ページに渡って記載されていますが機関車の性格上列車を後ろから押す姿(つまり前面がまるで見えない)が多かったのが残念でした。
 それでも他の機関車とは違うC52の魅力に酔っ払うには十分なものでした。 

 これによると補機として峠での後押しを専らやっていたC52ですが頂上まで列車を押し上げた後は下り坂を単機で一気に駆け下りていた(ただしバックでですが)とか。なにやら頭文字Dの86トレノを連想しますが単機で疾走するC52というのは一度見てみたかった気がします。

 この項、まだ続きます。