1417号
知人の経営者から、こんな質問がありました。
『銀行員が２人で来るって言ってますが、
何があったんですか？』
『それは、
あなたが申し込んだ融資を
正式に謝絶を伝えるためですよ。』
謝絶とは、
融資の申し込みを断る
銀行側の行為のことです。
この経営者は、メイン銀行に、
運転資金3,000万円を申し込んでいて、
先日、断られたようです。
とりあえず、電話で、
『お貸しできない！』
回答をもらったそうですが、
銀行としては、
正式に断ったことにはなりません。
断るときの流れが決まっています。
銀行にとって、
お客様と一番トラブルになるのは、
融資を断るときです。
『なんで貸さないんだ！
貸すって言ったから、
こんなに投資したのに、
どうしれくれるんだ！』
と、後で言われたくありません。
『いつ、どこで、誰に、
どのように断ったのか？』
『どんな、やりとりがあったのか？』
詳細に記録します。
しかも、１人では、
間違いもありえるので、
２人以上で確認するのが、通例です。
場所は、銀行にて行う場合と、
企業側に出向いて行う場合とあります。
単に、断るだけなので、
それ以上のことはありません。
もし、『なぜ謝絶されたのか？』
分からないなら、聞くタイミングが
このときです。
断った理由を聞くことで、
次の銀行へアタックするときの
ヒントになります。
断る理由は、
銀行に聞かなくても、
私には、よく分かります。
数字だけ見たら、何の問題もない会社です。
業績は、伸びていますが、
それは、
取引先１社によるものだからです。
この銀行は、
意外にしっかり審査しています。
もし、その１社からの受注が止まったら、
この会社の業績も連動して、
業績は急降下します。
そうなれば、
銀行としたら、債権回収が困難になります。
逆に、この銀行は、
その部分しか見ていないとも言えます。
この会社は、
もっといいところが沢山あります。
この会社を評価する
銀行探しが始まります。
この会社は、売上高が
どんどん伸びているので、
コロナ融資は使えません。
通常の運転資金を借りることになりそうです。
私が銀行なら、
3,000万円は貸す価値があると
思うんですけどね。
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