気付けば互いに傍にいた。
あの海辺の街、小さな公園で
母親達の退屈な近所の噂話もそっちのけで
ベビーカーから身を乗り出してキミに手を伸ばした。
それくらい昔に出会ったんだ。
あれからどれだけの時間を一緒に過ごしてきたんだろう。
今日の今、この日まで。
何もかも知っている気になっていたのに
知らなかったキミが存在すると分かるほんの今までと
目の前にいるキミは違う
知らない人の様に見えて
初めて会ったばかりみたいで
遠ざかる2人の距離に成す術はなかった。
嘘つきなキミに送るこのメッセージはいつか
届くだろうか
見上げる空が眩しくて
波間から吹き上げる風の強さに
動けないまま此処にいる
嘘つきな君の話0.5へ続く
始まります。