『初めまして…』
最低最悪な挨拶。
着るものの一枚もないままの二人が交わすおかしな挨拶。
おまけに何があったか全てのデータが消去されたように喪失された記憶を辿る。
『何があったか知りたいって顔してる』
試すように笑う君…
大きめの枕を独占するように顔を埋めた。
『……』
心とは裏腹に私の右半分が彼を感じて
逆流した血がかけ上る。
ちぐはぐな私。
笑う君…
『別に…私だって大人だし…わ、分かる。この状況見れば…例え記憶がなくてもね!』
精一杯の強がり
『ふーん…そう?かなりテンパってるけど?』
『いえ、全然…いつもの風景。。』
強がり通り越して意地を張る自分がバカみたい。
目の前の人は余裕の笑顔を向けた。
卑怯者。そんな笑顔に怯んでしまった。
静かに伸びる腕。
『じゃあ…』
優しく肩を抱いて引き寄せる
『これから思い出させてあげようか?』
微かに記憶に残ってたあの声で
私の中を甘く刺激する。
答えも出せていない私なんてそっちのけで
試すみたいにkissをする
段々強く
段々優しく…
甘く疼く私の心を見透かして
君はもう一度
微笑んだ。
甘くとろけた朝の事。
3へ続く