人里離れた美しい森の奥深く。外界から隔離された大きな屋敷。ある日、ここに6歳の少女イリスが棺の中に入れられ運ばれてきた。そこは、6歳から12歳までの少女たちが暮らす謎めいた学校。大人は年をとった召使いと2人の女性教師だけ。男性はいない。そんな環境の中、新入生のイリスも他の少女たちと共にダンスと生物の勉強に明け暮れるが…。

 

 

 


 

 

 

こちらは2004年制作の ベルギー、フランス、イギリス の合作映画になります

 

「カルネ」「アレックス」等の作品で知られる ギャスパー・ノエ の公私共のパートナ

 

ーである女性監督 ルシール・アザリロヴィック の長編デビュー作となります カチンコ

 

 

 

 

オープニング  黒地にスタッフとキャストのクレジットが映され、カメラは水中の

 

気泡のショットで始まります 小さな棺桶が廊下を通り、ある部屋に置かれます 白

 

い服をまとった少女達が、棺桶の周りに集まります 少女達が棺桶を開けると、中か

 

ら下着だけまとった少女 イリス が現われます   イリス は何故ここに自分が居るのか

 

ここが何処なのかも全く分からない様子です

 

 

 

 

そこは森の奥深く、少女(6歳~12歳)ばかりが通う学校(エコール)でした 少

 

女達は、学校のすぐ近くの寄宿舎で,5つのグループに分かれて生活しています 少女

 

達の世話をするのは女性教師の2人と、使用人の老婆のみ 男性は全く存在しません 

 

生徒の服装は全く同じですが、髪に結んだリボンの色で、年齢が別れているらしく来

 

たばかりの イリス は赤いリボン、年長は紫のリボンという具合です リボン

 

 

 

 

他の少女達も イリス 同様、いつからかここに連れて来られ、ここに住み、この学校で

 

勉強する事になったのでした ここで学ぶのは、生物とバレエが主な学習という不思

 

議な内容です   この世界は高い壁に囲まれ、脱走する事は禁じられています 唯一こ

 

こを出られるのは、年長になり、年に一回来る校長 (これまた女性) に選ばれた者の

 

みが外の世界へ出て行く事が出来るという、しきたりになっています

 

 

 

 

年長者は時に、蝶の羽根を着けた衣装を身にまとい、男性客らしい観客が見ている舞

 

台でバレエを披露する事になっています この時の収入で学校が運営されているよう

 

なのですが、あまりにも謎が多過ぎるのが、この映画なのであります カギ それはラ

 

スト エンディングを観ても解決はする事がありません、が、如何様にも観客側で解

 

釈をしてもいい作品という事だと思います

 

 

 

 

ただこの映画の原題は 「イノセンス  無垢」 というタイトルで、日本のみ諸事情で 

 

「エコール」というタイトルになったそうでして、「少女」 という時期を、学校とい

 

う仮想空間を使って表現した作品である事は確かだと思います それを様々なメタフ

 

ァーによって表現しています

 

 

 

 

水で始まり、水で終わるのも、生命の誕生の輪廻を思わせますし、モンシロチョウが

 

度々登場するのと、棺桶を蛹に見立て、少女から女性へと成長する過程を表現したり

 

生理を赤いバラ 赤薔薇 に例えたりと、深読みすれば、色々と解釈出来るようにあえて作

 

っているようでもあります

 

 

 

 

つい「プリティ ベビー」や「ビリティス」のロリータ的 口紅 な作品を思い起こさせま

 

すが、かなりのマニアでない限り、変なエロスは感じられません 私は何故か「ガタ

 

カ」を思い起してしまいましたが、、、どことなく不気味で、不穏な空気感が漂い、

 

それでいて美しく、はかない作品であります どちらかと言うと、女性にこそご覧に

 

なって頂きたい映画でございますので、機会がありましたら、お手に取ってみてくだ

 

さいませです 

 

では、また次回ですよ~! バイバイ