飼い犬のダルメシアンにしか興味がない変わり者の大富豪ルドルフは、売春婦たちとの乱痴気騒ぎの最中、突然の心臓発作により昏睡状態に陥ってしまう。ルドルフの遺産にしか興味のない親族たちは会議を招集し、遺産をめぐって言い争うが、彼らが気になるのは、ルドルフの遺産すべてが風変わりな甥のメレアーグラに渡ってしまうのではないかということだった。それから5年後、叔父ルドルフの死と相続できるであろう遺産を待ちわびるメレアーグラはコソ泥のディマと2人、下水道で生活を送っていたが……。
こちらは１９９０年制作の イギリス 映画になります 
以前、ご紹介させて頂いた「リアリティのダンス」や「エルトポ」等で カルト監督の
異名をとる アレハンドロ・ホドロフスキー 監督の日本未公開作品でありまして、今回
初ＤＶＤ化によってレンタル鑑賞する事が出来ました
イギリス資本で、脚本も別の人間が書いた作品を、いわゆる「雇われ監督」的な感じ
で製作されたと思われる、 ホドロフスキー としては珍しい映画であります 
俳優陣は ピーター・オトゥール（アラビアのロレンス）、オマル・シャリーフ（ドク
トルジバゴ）、クルストファー・リー （吸血鬼ドラキュラ）、という往年の豪華なメ
ンツが演じておられます
クルストファー・リー 演じる変人の大富豪が倒れ、遺産相続問題が勃発します 危篤
状態である為、まだ誰に遺産が渡るのか、親族の間で様々な憶測が飛び交うのですが
中でもこれまた風変わりな、甥の ピーター・オトゥール 演じる メレアーグラ に渡る
のではないか？と噂されます 
それから５年の歳月が流れますが、大富豪は危篤のまま、メレアーグラ は遺産相続の
おこぼれに与ろうと考える、コソ泥の ディマ と地下水道に自分達の空間を作り、その
日暮らしのような生活を送っておりました そして遂に、大富豪が亡くなりますが、
遺言によって遺産は、、、そんな時に ７０年に一度という大雨が降り始め、メレアー
グラ の住む地下水道に濁流が襲って来るのでした 
表面的に観れば、ラスト等も含めて ホドロフスキー 作品らしくないな～と思うのです
が、やはりコマゴマと ホドロフスキー の世界が散りばめられています 悪趣味な大富
豪の生活や、娼婦達 サーカスの奇妙な人々 大男と小人 地下水道での豪華で奇妙
な生活空間 そして様々なエッセンス 地下と地上 富と貧 妄想と現実 搾取する方
とされる方 等。
最後には、欲が押し流され、無償の愛とも言える「友情？」を手に入れ、虹の架かる
道を真っ直ぐ進んで エンドクレジット となるのですが、ここにタイトルの「虹」とい
う象徴によって幕を閉じる事となります 
「虹」それは追いかけても、追いかけても、手に掴む事の出来ない物 その象徴に向
かってまた新たに、真っ直ぐ進んでゆくというシーンが、何とも印象深いエンディン
グでありました
一風変わった ホドロフスキー 作品ですが、あまり馴染みの無い方には、逆に観やすい
作品になっているファンタジー映画でありますので、興味ある方はご覧になってみる
のも良いのではないでしょうか？
では、また次回ですよ～！ 
