惑星大戦争
太陽系外惑星から飛来した異星人の地球侵略に対抗するため、宇宙防衛艦「轟天」が、金星を前線基地とした異星人の「大魔艦」に立ち向かうSF映画
- 惑星大戦争 - 監督 福田純 特技監督 中野 昭慶
出演 森田健作、浅野ゆう子、池部良、宮内洋、大滝秀治、平田昭彦、橋本功、他
こちらは1977年制作の 日本映画
です。 (91分)
1988年秋、世界各地で謎の飛行物体が目撃され、UFOの騒ぎと電波障害で大混乱した。国連宇宙局日本支部の松沢所長は、日本アルプスに落下した謎の飛行物体の調査を国連宇宙局勤務の三好孝次に依頼する。
ある日、三好は宇宙ステーション・テラの三笠と交信していると、突然画像が妨害電波のために消えた。そして三笠の叫び声と同時に、画面に閃光がはしり、音声も絶える。地球上の各地で凄絶な戦いが始まった。
侵略軍の球状ロケット、ヘル・ファイターは、国連軍基地を全滅させる。だが、この時すでに国連宇宙局の秘密機関では、宇宙戦争にそなヘ、滝川正人を中心に宇宙防衛艦「轟天」(ごうてん)の建造を進めていた。
ヘル・ファイターを一掃した「轟天」は侵略軍の基地のある金星に向って出撃した。青味がかった黄色い雲を突き抜けると、灼熱の星金星がせまった。着陸した「轟天」から偵察隊員の乗るランドローバーが走りだす。そして、火山の麓に潜む「宇宙大魔艦」を発見する。
太陽系から二万二千光年のメシヱ13と呼ばれる球状星団、恒星ヨミの第三惑星が侵略軍の母なる星であった。やがて「大魔艦」からへル・ファイターが次々と発射され、金星での凄絶な空中戦が始まった。遂に「大魔艦」が号音とともにロケットを噴射して、その巨体を浮上させた。そして、その決戦は、人類の生存を賭けた戦いであった、、。
以前こちらでご紹介した東映の「宇宙からのメッセージ」の4か月前に公開された和製SF映画、というか特撮映画で、「宇宙からのメッセージ」同様に本家「スター・ウォーズ」の日本公開前のSFブームに便乗した突貫製作感が否めない和製SF映画です。
「宇宙からのメッセージ」を観た時にもそれなりのショックはありましたが、本作を鑑賞した後では、メッセージの方が何倍も映画として面白い作品だったかを痛感させられてしまいました。 深作欣二監督ゴメンナサイです。
二つの作品の大きな違いは、「観ている観客を楽しませようとしているかどうか」 にあるように思え、そこに観客との隔たりを感じます。 この「惑星大戦争」には目新しさや遊びのなさ、会話からは堅苦しさがビンビン伝わって来て、ユーモアがありません。 派手なアクションや謎のロボットも登場しない、終始大人目線で作られた教育番組感がします
パッケージは夢のあるSFなのですが、映画の中で繰り広げられている事は70年代の刑事ドラマのような、ボス中心の社会構造そのもの。 これは東宝の古い「ゴジラ」世代の影響がまだつづいていた為なのか、とにかく遊び心が乏しくて子供には退屈なお話で大人には幼稚な展開の、「帯に短しタスキに長し」の釈然としない作品ではあります。
とはいえ、ドラマの脈絡のなさや物語の起伏の乏しさ、アクションの緊張感の皆無さなんて、この特撮映画には大して意味はなく?そのSFなのに堅っ苦しい世界観込みで楽しんでしまうのが、この映画の今の正しい鑑賞の仕方のような気がします。
そもそもこの映画を観ようと思ったのが出演者の面白さで、あの元県知事の森田健作にマドンナの浅野ゆう子という絶妙にずれたキャスティングの妙。 そして「俺たちは天使だ!」 好きの私のポイント沖雅也。 いや~ 「死亡遊戯」 色の宇宙服姿が様になっていて、とってもかっこよかったです。
そして古き少年少女のヒーローといえばこの方、宮内洋。V3やアオレンジャーのイメージそのままでしたが、派手なアクションがないままインベーダー(懐かしいひびき)に殺されてしまったのは残念でした。 そして轟天の艦長を演じる往年の二枚目池部良。 後半では虚ろな瞳で「リボルバービーム発射!」と謎の攻撃命令を連発する姿に苦笑します
惑星大戦争という大風呂敷タイトルながら、世界描写は皆無の「宇宙戦艦ヤマト」状態で、ほぼ1対1の宇宙船バトルの本作。 敵である銀河帝国司令官ヘルは「宇宙からのメッセージ」では銀色メイクでしたが、本作では緑色のメイクで登場!その姿はゲルショッカーの首領ブラック将軍風で、こういった所に昭和の特撮の限界を感じてしまいます。
インベーダーに捕まった浅野ゆう子がいきなりホットパンツ姿になっているシュールさや彼女を捕まえている化け物がこれまたチューバッカ風の角が生えた大きな熊さんで、その武器がビーム銃ならぬ巨大な斧というのもご愛嬌。
宇宙服のヘルメットがまんま「2001年」のコピー商品なのも、もう気にならないレベルです。 こちらの作品でも助っ人外国人が英語を喋っているのに吹き替え日本語になっているのもお約束でグッド。
そんな中に挟まれる浅野ゆう子を中心とした森田健作と沖雅也の三角関係の恋愛模様も終始取って付けたような微妙な展開がつづき、後半の沖雅也の死も意外にサラリと流される雑さ(笑)。 飛び出すドリルに乗って特攻をかける池部良の姿には日本の軍国主義の象徴である神風を連想させるものがありハリウッドの「スター・ウォーズ」に負けて衰退していく日本の特撮時代がオーバーラップしてしまうのでした。
「宇宙からのメッセージ」のようにワチャワチャ言いながら楽しめる破天荒さはありませんが、「ゴジラ」と地続きな世界観と東宝的な特撮の映像の渋さが堪能できる作品です。
と同時に、これ以降、日本製のSF映画が何故定着せず、製作がされなくなったのかの答えがここに表れているように思えますので、機会がありましたらご覧になってみて下さいませ、です。
では、また次回ですよ~! ![]()




















