「スター・ウォーズ」に便乗したマカロニ・スペース・ファンタジー  女宇宙海賊ステラ・スターとその仲間たちは銀河皇帝の危機を救うべく悪の首領ザースの本拠地に乗り込む。

 

 

 

 

 

 

    -  STARCRASH  - 監督 ルイス・コーツ  音楽 ジョン・バリー 

 

  出演 キャロライン・マンロー、マージョー・ゴートナー、

                                                                 デヴィッド・ハッセルホフ 他

 

こちらは1978年制作の イタリアイタリア アメリカアメリカ の合作映画です。(92分)

 

 

 

 

 

  以前ご紹介した「宇宙からのメッセージ」でスペースオペラの楽しさに目覚めてしまった私が、新たに見つけた「スター・ウォーズ」のオマージュ作品がこちらです。 「宇宙からのメッセージ」と同じ1978年、SFブームに乗り遅れまいと作られたかは定かではありませんが、イタリアとアメリカが協力して制作された一大スペースオペラ映画です。

 

 

 

 

銀河の遥かかなた 皇帝が統治する帝国軍の宇宙船が宇宙空間を航行しています。 映画のオープニングは本家同様、宇宙船の船底が画面の上を進んでいくお馴染みのショットから始まります。 ただし、こちらはかなりミニマム。 巨大さを感じる間もなく模型感満載な宇宙船の全体像を見る事が出来ます。

 

 

 

 

ある惑星に近づくと、突如、乗組員を混乱させる謎の武器で攻撃されます。 それは銀河系征服を目論む邪悪なザース・アーンによるものでした。 乗員は3つの脱出艇で船を後にし、宇宙船は破壊されてしまいます。 その頃、セクシー衣装をまとった宇宙海賊のステラ・スターと、時代を感じるカーリーヘアーの航空士アクトンは、宇宙警察に追われていました。

 

 

 

 

追手をかわしたステラとアクトンは脱出艇を発見。 一人の生存者を救助しますが追跡してきた警察によって捕らえられてしまいます。 有罪判決を受け投獄されますが、なんとか脱出に成功。 その先で謎の宇宙船を発見し乗り込みますが、そこには皇帝の使者がいました。 腕を買われた二人は、そこで皇帝からザース・アーンの秘密兵器の探索と、皇帝の一人息子が乗船した別の脱出艇の捜索を依頼されます。

 

 

 

 

皇帝のロボットエルと異星人トールが仲間に加わり惑星探査に向かう一行、たどり着いた惑星で発見した脱出艇には生存者はおらず、星を支配していたのは赤く塗られた馬に跨った露出多めのアマゾネス軍団でした。 捕えられますがエルの活躍で脱出に成功   追手の巨大警備ロボットを倒し、敵機を撃墜して惑星を離れます。

 

 

 

 

次に向かったのは氷の惑星でした。 散策に向かうステラでしたが、突然トールの裏切りにあい仮死状態の冷凍人間にされてしまいます。 しかしフォースまがいの力の持ち主だったアクトンの活躍によって無事蘇生に成功し難を逃れます。

 

 

 

 

次に向かったのは惑星ディモンディアですが、星に近ずくと謎のサイキック攻撃を受けます。 窮地に立たされたと思った一行ですが、気絶したもののなんとか通り抜けに成功し惑星に到着します。 墜落した脱出艇を発見しますが原住民に襲われ再び捕らわれてしまいます。 ここでステラを運ぶ方法がハン・ソロを運ぶイウォークと同じ吊り下げ型という偶然に驚かされます。

 

 

 

 

ステラが原住民のご馳走になりかけた瞬間、「惑星ザルドス」のようなお面を被ったヒーローが登場して原住民を撃退、彼こそが皇帝の息子サイモンでした。 ここでライトセイバーもどきの武器を持ったアクトンも合流、この星こそがザース・アーンの秘密兵器だと判明します。 

 

 

 

 

星の中枢に侵入した3人ですが、敵に包囲されマントを翻した悪の権化ザース・アーンが姿を現します。 3人を餌に皇帝をおびき寄せ、惑星もろともを破壊する計画であることを告げるのでした、、。

 

 

 

 

さてさて言わずもがなの「スター・ウォーズ」劣化版という作風は否めませんが、それなりに努力している感じがビシビシ伝わってくるのが本作の良い所。 露出多めで舞台が変わる度にステラの衣装が変化するのも「バーバレラ」を連想させるサービス精神ですし、「スタートレック」や「宇宙空母ギャラクティカ」、いえいえ「キャプテンウルトラ」 といった世界観まで網羅しています。

 

 

 

 

クリスマスツリーのようなカラフルな星々の中で繰り広げられる緩いドラマとアクション編。 後半ではペキンパーを思わせるスローモーションの銃撃戦やハリーハウゼンに敬意を表したようなカクカクアニメまで、とにかく面白そうな要素とテクニックを出来うる限りにオマージュしたハンドメイドな風合いを感じる為の映画でございます。

 

 

 

 

安っぽいながらも意外に多く組まれたセットの数々や、意外にも様々な場所で撮影されているロケーション、意外にもクリストファー・プラマーが恥ずかしい衣装を着て堂々と皇帝を演じていたり、「ゴッドファーザー」の強面ジョー・スピネルが高笑いをしていたり、「ナイトライダー」のデヴィッド・ハッセルホフが王子様だったり、音楽がジョン・バリーだったりと、黒歴史の香りまでもがムンムン漂っております。

 

 

 

 

色々と頑張った結果残念な作品になってしまった感が強い映画ではありますが、どうしても憎めない可愛らしさのある作品で、こういった映画を愛でずにはいられない私なのでありました。 この作風を理解した上でご覧になると十分楽しめる作品だと思いますので、機会がありましたら一度ご覧になってみてはいかがでしょうか、です。

 

 

では、また次回ですよ~! パー