1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国出身の移民一家が理不尽な運命に翻弄され

 

ながらもたくましく生きる姿を描いた家族映画

 

 

 

 

 

 

           -  MINARI  - 監督 脚本 リー・アイザック・チョン

 

 出演 スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ユン・ヨジョン 他

 

こちらは2020年制作の アメリカ映画 アメリカ になります。(115分)

 

 

 

 

 

  韓国系の移民、ジェイコブ・イは一攫千金の夢を掴むべく、妻のモニカと長女のアンと長男のデビッドを引き連れてアーカンソー州の田舎町へと移住した。 ジェイコブは一から農地を開拓して大農場主に成り上がろうとしていたが、モニカはそんな夫を冷ややかな目で見ていた

 

 

 

 

ほどなくして、モニカの母スンジャも一家と同居することになった。スンジャは並々ならぬ毒舌家だったが、どこか憎めないところもあり、一家の生活(特にデビッド)に刺激をもたらすことになった。

 

 

 

 

その一方で、農場経営は一向に軌道に乗らず、家計は火の車であった。様々な困難に直面したジェイコブは挫けるどころか、却って成功への意欲を燃やしていた。 そして、全てを犠牲にする勢いで経営に没頭していったが、それがとんでもない事態を引き起こしてしまう、、。

 

 

 

 

韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョンが監督・脚本を手がけ、第78回ゴールデングローブ賞ではアメリカ映画でありながら、大半が韓国語のセリフであることから外国語映画賞にノミネートされ作品賞を受賞。第93回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞など計6部門にノミネートされ、祖母スンジャを演じたユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞した作品です。

 

 

 

 

1980年代を舞台に、アーカンソー州の田舎町へと移住した韓国系移民家族の生活が丹念に描かれた本作は、韓国語と英語、アメリカ文化と韓国文化、若い夫婦と子供、そして祖母等それぞれの価値観や視点、宗教や習慣が折り重なって紡がれる一つの家族の物語です。

 

 

 

 

夫のジェイコブは広大な土地を開拓して野菜を育て、自分の手で農場を作り上げようと夢見ています。 それは男としての野心でもあり、家族を養うという責任感でもあるのですが、妻のモニカからはそんな姿が身勝手にも思え、現実的な家族の将来と生活を心配するあまり口喧嘩が絶えない二人。 そんな親の姿を心配する二人の子供たち。そんな生活に祖母が加わり、生活に変化が起こっていくのですが、、。 

 

 

 

 

アカデミー賞にもノミネートされ、批評家からも高い評価を受けた作品という事もあって、勝手に期待値を上げてしまったからでしょうか、もちろん素敵な映画なのは間違いないのですが、個人的にはどっちつかずな印象の作品になってしまいました。

 

 

 

 

韓国移民の苦悩、 子供の病い、農業の過酷さ、夫婦の価値観、といったドラマが深く描かれているのかと思ったのですが、その全てが悪く言えば表面的で上っ面をサラっと流されたような描き方に感じてしまってちょっと残念に思いました。

 

 


 

祖母と孫の交流、祖母が口で剥いた栗を孫が拒否する場面や病院での夫婦の少ない会話、処分されるだけの雄のニワトリ、不自由になった祖母を身を挺して守る孫の姿等印象深くて素敵な場面は沢山あるのですが、一つの映画になった時にいったい誰の視点で感情移入していいのか、最後まで迷っているうちにエンディングになってしまいました。

 

 

 

 

そう、とても良い映画なのだけれど、それは分かるのだけれど、映画のテンポ同様に淡々と観てしまった私。 勝手に 「怒りの葡萄」 「天国の日々」 「プレイス・イン・ザ・ハート」 のような内容の作品かと思ってしまった私には、単にピンとこなかっただけなのです。 最も気になったのはメインである農業場面に汗が全く感じられなかった事でしょうか、、。

 

 

 

 

韓国の文化等、ちゃんと理解していればより深く楽しめる作品なのだと思います。 と同時に本作や「パラサイト」等、韓国映画が世界で注目されている今、日本の劇場で公開されている日本映画とのギャップに、ただただ呆然としてしまうのは私だけでしょうか? 

 

 

 

 

海外の批評家からは絶賛されている映画で、製作総指揮にブラッド・ピットが名を連ねているA24の作品です。 きっと多くの方には楽しめる作品になっていると思いますので、機会がありましたらご自身の目で確認してみてはいかがでしょうか、です。

 

 

では、また次回ですよ~! パー