落ちこぼれの子どもたちがガールスカウトの活動を通して成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。

 

 

 

 

 

 

    -  TROOP ZERO -    監督 バート&バーティ  脚本 ルージー・アリバー

 

 出演 マッケナ・グレイス 、ヴィオラ・デイヴィス 、アリソン・ジャネイ 他

 

こちらは2019年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(97分)

 

 

 

 

  1977年ジョージア州の小さな町ウィグリー。宇宙大好き少女クリスマスは、毎晩ライトで宇宙人との交信を試みるのが日課だった。 亡くなった母親も宇宙のどこかから見ているような気がしていた。 貧乏弁護士の父とそのアシスタントであるレイリーンとトレーラーハウスで暮らしている彼女の唯一の友達は、隣に住む女子っぽい男子ジョセフだけだった。

 

 

 

 

ある日、学校でマッシー校長とともに現れたNASAのパサッド博士がバーディスカウト(ガールスカウト)の女子たちを前に、スカウトの大会ジャンボリーに優勝すれば、宇宙に打ち上げる衛星に搭載する”ゴールデン・レコード”にメッセージを入れることができると聞いたクリスマスは、自分の声が宇宙に行く事を夢見てそのグループのメンバーに入れてほしいと頼むが、リーダー格のパイパーに冷たくあしらわれる。

 

 

 

 

そこで彼女は自分で新たなグループを作ろうとジョセフとともにメンバーを探し始め信心深く左目が見えないアン、いつも怒りに燃え凶暴なヘルと、その相棒スマッシュを勧誘し、とりあえず5人を集めることに成功する。そして”トゥループ・マザー”と呼ばれる大人には父の助手であるレイリーンにお願いした最初は渋っていたレイリーンだったが、彼女の幼なじみのマッシー校長のイヤミに触発されて俄然やる気を起こす。 校長からトゥループ番号の ”0” をもらったクリスマス達はジャンボリーの大会に出場するための奮闘が始まるのでありました、、。 
 
 
 
 
こちら残念ながら劇場公開なしのPrimeVideoだけの配信作品です。 いわゆる落ちこぼれ少年少女が奮闘して大会へ挑むという、ストーリーだけ聞けばありきたりな内容ではありますが、なんだかんだ言いながらもこういった作品はやっぱり大好きなんですよね
 
 
 
 
都会ではない、ちょっと田舎のお話という事もあって適度な自然と子供達の絵面のバランスがとっても心地良い作品です。 主人公クリスマスちゃんのブロンドヘアーと赤いブーツのコントラスト、そこに降り注ぐ陽光がこれまた絶妙の味付けになっています。 そんな彼女はおねしょ癖があるという事で女子たちから敬遠された存在で、唯一の友人は男の子ながら線が細くて女の子っぽいジョセフ。 
 
 
 
 
学校では浮いた存在の二人が耳にしたのがバーディの大会ジャンボリーに優勝すればゴールデン・レコードにメッセージを入れる事が出来るというものです。 映画を観ていけば分かってくるのですが、バーディというのは日本でいうガールスカウトで、ジャンボリーはその大会。 ゴールデン・レコードは77年に打ち上げられたボイジャー探査機へ実際に搭載された金属版のレコードで、地球外生命体に向けて様々な言語や音楽が収められたものです。 
 
 
 
 
バーディになりバッジを獲得したりするルール等、馴染みがないと序盤は少し戸惑ったりする所も多少ありますが、細かいルールを知らないスポーツを見ても感動出来るのと一緒で特別問題はありません。
 
 
 
 
そして今あるバーディに入れてもらえないなら自分で作っちゃえ!という事で仲間を集めのスカウトに奔走する訳ですが、これがなかなか決まらない。 やっと寄せ集めた3人もかなりのくせ者揃いで、片目に障害があり信心深いアン、いつも怒りに燃えクリスマスをイジメていたヘルと、その相棒のスマッシュ、規約に男の子はダメと書かれていない事からジョセフも加わりゼロ団結成と相成ります。 
 
 
 
 
この仲間集めっていう過程もテンション上がりますよね~。そして時代を反映したような様々に障害を持った子供たちが、それぞれの個性を生かしてメダルを入手し、新しい自分の価値観を手にしていくという描写もかなりあっさりしたユーモアーで描いている所も感動させようといういやらしさがなくて好感が持てます。
 
 
 
 
大人達の協力もあって、なんとかジャンボリーに参加する事が出来るようになり、ラストの大会で最大の見せ場が訪れますが、これまでにない展開と解決が待ち構えておりました。 クリスマスの弱さとそれを救う仲間の行動のパンチ力に、笑いながら泣けてくるという格別な気分を味合わせられてしまいました。 いや~まいりました。
 
 
 
 
大会が終わった後、満天の星空を見上げ大人も子供も 「私はここにいる!」と叫ぶ場面には、自分を肯定する気持ちや、他者とその個性を尊重するといった様々な意志が込められているように思われ、清々しい気持ちでエンディングを迎えました。
 
 
 
 
そこからのエンドクレジットには実際のボイジャー探査機に取り付けられるゴールデン・レコードの映像、そしてレコードに収められた各国の言葉も流されます。 (ちゃんと日本語もあり、何故か嬉しくなりました) そしてデヴィッド・ボウイの「スターマン」が流れるんですから、そりゃもう最高の気分で観終わりましたよ。 劇中では他にも「Space Oddity」や「Rebel Rebel」、アレサ・フランクリンや「リトル・グリーン・バッグ」での「レザボア・ドッグス」のパロディーがあったりと時代的な楽曲の楽しみがあったりするのでした。
 
 
 
 
主人公のクリスマスを演じるのがこちらでも紹介した「gifted」のマッケナ・グレイスちゃんで、度々こける姿が可愛いこやくです。 他にもヴィオラ・デイヴィス やアリソン・ジャネイの大人が脇をしっかりと固めて見応えのある作品にしてくれています
 
 
 
 
子供は勿論ですが、大人の諸々の諸事情や社会的な問題にも触れ、それらをあくまでもポジティブに優しく包むように描いた作品です。 作品自体は王道ともいえる内容ですが、王道の良さとプラスアルファーの面白さと感動が味わえる良作だと思いますので、ブルーな気分で落ち込んだ時にでも是非ご覧になってみて下さいませ映画です。
 
では、また次回ですよ~! パー