本作は、焼却を命じられたフィルムが流出されたという設定で、ドキュメンタリー映画風に構成されたフィクションである。しかし、配給側は意図的にスナッフフィルムのように宣伝したため、実際に起こった事件だと誤解する観客が続出した。

 

 

 

 

 

 

     - CANNIBAL HOLOCAUST - 監督 ルッジェロ・デオダート

 

 出演 ロバート・カーマン、フランチェスカ・チアルディ、ガブリエル・ヨーク 

 

こちらは1981年制作の イタリア映画 イタリア です。(95分)

 

 

カニバリズム、強姦というショッキングな内容を全面に出した、見世物的なモンド映画でもある本作は、「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」 等で注目された モキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)映画の先駆けにもなった作品で、2015年に制作された「グリーン・インフェルノ」 は本作のリメイク作品になります。 そのお話の内容ですが、、。

 

 

 

 

  文明から遠く隔てられた地、南米ブラジルとペルーの国境、アマゾンの上流地域にある通称 グリーン・インフェルノ (緑の地獄) と呼ばれた土地に、アメリカから女性を含めた4人のグループがドキュメンタリーの撮影に向かいました。 その土地に住むといわれている〈食人族〉の撮影が目的でした。 ところが4人の消息は途絶え、彼等の雇い主であるTV局員は慌ててニューヨーク大学の人類学者ハロルド・モンロー教授をはじめとする捜査隊を編成して、彼等の捜索へと送り出します。 

 

 

 

 

現地に到着すると食人族の若者が一人捕まっており、彼を案内人として捜索の旅が始まります。 早速密林地帯へたどり着いた彼等を待ち受けていたのは、原住民達が罪を犯した女性に罰を与えている儀式のようなな光景でした。 アマゾンの奥ヘ進むに従って危険な出来事が頻発します。 そこではトリー・ピープル(木族)とスワンプ・ピープル(沼族)が常に争いを起こしていました。 教授達は原住民達の文化を尊重し、少しずつ彼等に受け入れられるようになります。  しばらくして、ある部族の村で4人組が残したと思われるフィルムを見つけます。 捜査隊はなんとかそれを手にして帰路に着く事に成功します。

 

 

 

 

持ち帰ったフィルムを現像し、TV局の人間と鑑賞し始める教授。 そこには4人が到着した姿から、ジャングルでの過酷な行程、そして毒蛇に襲われガイドが亡くなる光景が撮影されていました。 その後もカメを解体して食べる様子、猿を殺して食べる原住民の姿。遂には原住民を銃撃する場面や、村を急襲し住居に火を放ち、それを楽しそうに撮影している場面が映し出されます。 刺激的な映像が撮れればやらせもいとわない彼等の行動。 我がもの顔の彼等は村の女性を犯し始めます。その後見つかったその女性は串刺しの姿でさらされていました。 

 

 

 

 

そして遂に怒りに駆られた原住民達に一人また一人と逆襲に遭い、捕まり、殺され、犯され、食べられていきます。 その映像を最後まで観たTV局の人間は、フィルムが他人の目に触れる事を恐れて、焼却するように命じるのでした、、。 というお話です。昨今のグロいホラー映画に慣れている人が観ると、その描写には時代を感じてしまう部分は多々あります。 個人的にはメインの俳優さん達がちゃんと迫真の演技をしている分、他の演者さん達のゆるい演技や、原住民さん達の腕を上下させるだけの撲殺場面等が少々気にはなりましたが、それもご愛嬌として楽しめる範囲の作品です。ワニや毒蛇、毒蜘蛛も登場して、「川口浩探検隊」 的な楽しみ方もできるのでした。

 

 

 

 

それ以外の子豚を銃殺する場面や、巨大なカメを解体する場面、可愛らしいリスザルの顔を切り落として殺害する場面等、食料として人間が実際に行っている殺生という名の殺しの場面がそのまま映されている方が、そのものズバリな為、作り物の殺人場面より日常他人の手によって行われている動物の解体場面の方が、強烈にインパクトを感じるという、人間の矛盾した不思議な生理現象を体験する事になります。 他にも実際のニュース映像から抜粋されたと思われる、実際の人間の虐殺場面等も挿入されている事で、ある一定のリアリティを感じる作品には仕上がっています。そして所々、無駄とも思える全裸場面と薄目のぼかしが画面を彩るのでありました、、。

 

 

 

 

まぁ、劇中で非人間的な行いをするのはやらせドキュメントを撮影しに訪れた4人であり普通に生活していて、いきなり拳銃で仲間が撃たれたり、家に火を点けられたリ、強姦するような輩には当然の報いの為、4人が殺されても何の問題もないのでした。ラスト、巨大なビル群を見上げて 「いったい、どちらが野蛮人なのか?」 というセリフに作品に込められたテーマがうかがえて、実際この消費主義の現代で良いのか?という問題提起をされているような所もあって、ただの見世物映画だけには収まらない、ある種の 「気持ち悪い」 作品となっておりますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~! パー