「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のテイト・テイラー監督が、同作でアカデミー助演女優賞を受賞したオクタビア・スペンサー主演で放つサスペンススリラー、、。

 

 

 

 

 

 - MA - 監督 テイト・テイラー 脚本 テイト・テイラー、スコッティ・ランデス

 

出演 オクタヴィア・スペンサー、ダイアナ・シルヴァーズ、ジュリエット・ルイス

 

こちらは2019年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(99分)

 

 

とりあえずDVDのジャケットに写る彼女のどアップのインパクトにひかれるように

 

手にした本作は、以前こちらでもご紹介した 「ヘルプ 心がつなぐストーリー」 でア

 

カデミー助演女優賞を受賞した オクタヴィア・スペンサー が製作も手掛け、主演した

 

サイコサスペンス映画でございます。

 

 

 

 

  両親が離婚した事で母親の故郷オハイオへとやって来た高校生のマギー。 

 

新しい学生生活に早くも溶け込んだ彼女はクラスメイトからパーティーの誘いをうけ

 

ます。未成年の彼女達は、酒屋の前で代理でお酒を買ってくれそうな大人を探してい

 

ました。そこへ偶然通りかかったスー・アンという動物病院に勤める女性が引き受け

 

てくれる事になりお酒を手に入れる事に成功します。 マギー達は石切り場でパーティ

 

ーをしますが、誰かの通報によって警察からの注意を受け、その日は早々に解散とな

 

ります。

 

 

 

 

別の日、再びスー・アンにお酒を買ってもらいますが、彼女は自分の車にお酒を積

 

み、車で後を着いて来いと告げます。 着いた先はスー・アンの自宅でした。 使ってい

 

ない地下室があるから自由に使っていいと言います。 自由に騒げる場所が欲しかった

 

彼らは喜んで彼女の提案にのり、そこで何度も集まってパーティをするようになりま

 

す。その噂は いつしか広まり、彼女は高校生達の人気者になっていました。 しかし、​​​

 

スー・アンは何かを企むように彼らのSNSを調べ彼等の情報を収集していたのでし

 

た。ほどなくパーティーを楽しんでいた彼等でしたが、理解者だと思っていたスー・

 

アンの行動が徐々に鬱陶しくなってきたマギー達仲間は彼女と距離を置くようになり

 

ます。

 

 

 

 

するとスー・アンは自分がガンであり、薬のせいで時々制御がきかなくなってしまう

 

と告白します。 しかし、その腕に友人のブレスレットがかけられていた事に気付いた

 

マギー達は、自分もあの場所で無くしたモノがある事を不信に思い、スー・アンの居

 

ない隙を狙って、普段立ち入りを禁止されている自宅へ侵入する事にします。 マギー

 

達はそこでスー・アンの異様な生活を知る事になります。 彼女がマギー達に執着す

 

るのには大きな理由があったのでした、、。 というお話です。

 

原題はそのまま「MA」 というお母さんを示すタイトルなのですが、サブタイトルの

 

センスにやっつけ感が漂う残念さがありますね。 日本では劇場未公開という事でその

 

タイトルの謎も解けました。 

 

 

 

 

個人的にはオクタヴィア・スペンサーという女優さんが出演されている映画で大きく

 

ハズレている物は無いと感じている私は、普通ならちょっと遠慮してしまいがちなこ

 

のヤバイ臭いのする映画。 しか~し、彼女が主演、それもホラーという事でチャレン

 

ジいたしました。  結果、身の毛もよだつホラーでない事は確かですが、意外と(失礼

 

な)楽しく鑑賞できましたよ、はい。タイトルにあるようなサイコパスとはまた違っ

 

た痛さ。 高校生に騒ぐ部屋を与えたり、その中に混じって騒いだりという、弱い中学

 

生が小学生を仕切ってボスの気分を味わっているような、情けない 「痛さ」 がビシビ

 

シ伝わってきます。

 

 

 

 

あの失われた高校生時代を取り戻そうとするかのような彼女の姿に、ちょっとヤバイ

 

人と可愛がっていた高校生達にも気付かれて、彼女から離れていく事で、余計に過去

 

と孤独が彼女を襲い、たがが外れる事になります。 過去のトラウマと失われた時を

 

取り戻そうとする女性。 ある種共感出来る部分もありますが、それを実行するとこん

 

な事になるという恐ろしい教訓映画でもあります。

 

 

 

 

そして意外ともう一人の主人公であるマギーと、その友人達、その親とのドラマも、

 

ありがちではありますが、楽しく観れました。 特にマギーを演じる女優さんの普通っ

 

ぽさが良いバランスになっています。 彼女の母親をジュリエット・ルイスが演じて

 

いるのですが「ケープ・フィアー」や「ナチュラル・ボーン・キラーズ」 の印象が強

 

い私が観ると、劇中の娘に対する小言のセリフに、過ぎ去った時間をしみじみと感じ

 

てしまうのでした。音や血しぶきで驚かすホラー映画ではありませんが、病んだオク

 

タヴィア・スペンサーの顔もなかなかのホラーでございます。

 

「キャリー」 が徐々に 「ペニーワイズ」 に変貌していくような面白さがある、リベ

 

ンジ作品となっておりますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ。

 

では、また次回ですよ~! パー