訪れた台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれてしまったごく平凡な女性ルーシー。体内に新種の麻薬が入った袋を埋め込まれ、運び屋として利用されてしまう。ところが、袋が破れて謎の物質が体内にあふれ出し、彼女の脳に異変が生じてしまう通常の人間は脳の潜在能力の10%しか活用できないが、ルーシーの脳はそれを遥かに越えて覚醒を始めたのだった、、。

 

 

 

 

 

 

                        - LUCY -  監督 脚本 リュック・ベッソン

 

  出演 スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、チェ・ミンシク 他

 

こちらは2014年制作の フランス映画 フランス です。(89分)

 

 

本作の監督 リュック・ベッソンの作品を観るのは、なんと 「ジャンヌ・ダルク」 以来? と思ったら、こちらで紹介した 「マラヴィータ」 がありました。 とはいえ、その間に公開された6本程の作品には観たくなるような魅力を感じず (TAXIあたりの製作作品も余計にそんな気にさせられた私、、、好きな方スミマセン) そのまま現在に至っておりました。で、ちょっと軽く観れるアクション映画を観たいな、とレンタル店を彷徨っていた時に目に入ってきたのが今回の「LUCY / ルーシー」なのでした。 何やらスカーレット・ヨハンソンが覚醒して、派手に銃を撃ちまくるっていうような内容だったな~といった程度の感覚でレンタルしてみました。 ベッソンの作品というのはオープニングタイトルで知る事となり、心の中で 「あ、お久しぶりです」 と思わず呟いた私でありました。

 

 

 

 

  映画の内容は事前になんとなく知っていた通りに進んでいきました。 場所は台湾高級ホテルの前で、何やら怪し気な彼氏に無理矢理届け物のケース相手先に渡すよう頼まれる彼女のルーシー。 ここで誰が荷物を届けるか、というやり取りが無駄に長くてちょっとイライラしましたが、結局、中身を知らされないままルーシーが届ける羽目になります。 フロントで相手を待っていると、出て来た相手は思いっきりヤバそうな面々。 外で待っていた彼は殺され、ルーシーは部屋へと連行されます。 当然待っていたのはラスボス感満載のマフィアの親分でした。 問題のケースの中身はCPH4という青色をした新種の麻薬で、通常10%までしか活用できない人間の脳の潜在能力を極限まで高めることができるという恐ろしいものでした。 パニックが頂点に達したルーシーは殴られてそのまま気を失ってしまいます、、。

 

 

 

 

目覚めたルーシーは、自分の腹部に手術された傷を見つけます。 彼等はルーシーの他にも数人の人間に袋詰めしたCPH4を体内に埋め込み、海外へ運ばせる道具に仕立てていたのでした。 ルーシー達はそれぞれ空港へと連れていかれますが、その途中で別の組織に襲われ捕まってしまいます。 ルーシーは拷問を受けますが、その拍子に体内のCPH4が袋から漏れ出し、脳の覚醒が始まってしまいます。覚醒したルーシーは、いともたやすくその場に居た人間を始末し、外界へ脱出します。その足でマフィアのボスを襲撃して、彼女以外に埋め込まれた薬の行き先の情報を入手して、残りのCPH4を手に入れる為に動き始めます。 と同時に、脳科学の権威であるノーマン博士にコンタクトを取るのでした、、。 というお話です。 本

 

 

 

 

中盤までは想像通りのアクションと、脳の覚醒によって普通の人間を越えた能力を身に付けていく過程等は、ヴィジュアルを含めて面白く観れます。 が、後半の展開は好みが分かれる所ではないでしょうか? 正直こんな展開になるなんて思ってもみなかったのですが、個人的には嫌いじゃありません。 というか、好きなタイプのこっちか~感です。能天気アクションと思って観ていたら、後半から脚本をアーサー・C・クラークが執筆し始めたような錯覚に陥る作品です。 もうある程度覚醒してしまったルーシーに不可能はほぼほぼ無くて、無敵状態になってしまいます。 その為、ラストにある警察とマフィアの銃撃戦に切迫感はもはや無く、ただ蚊帳の外のお祭り騒ぎ、物語のアクセント程度になってしまったのはちょっと残念でした。 ルーシーが宇宙や生命の誕生を体験している後ろで、血に染まった手に握られた拳銃が迫って来るという極端な対比が、この作品を象徴している構図にも感じました

 

 

 

 

もう一人ルーシーのような人物が敵側に居たら、もっと二つの要素が充実したかも知れません。 あまりにもマフィアのキャラが薄くて雑魚過ぎました、チェ・ミンシク可哀そう。と言いつつもやはり嫌いになれない本作。 覚醒したクールビューティーなスカーレット・ヨハンソンの美しさとアクション。 「2001年宇宙の旅」を思わせる進化の先のヴィジョンそして、派手なカーアクションとガンアクションを見せてくれるリュック・ベッソンのサーヴィス精神。 そして、つくづくベッソンて何年経っても綺麗で強い女性が好きなんだな~と再確認しちゃいましたよ。フフフ。

そんな訳で、最近稀にみる 「入口と出口の落差の激しい映画」 であります。 この落差込みで色々と楽しめる作品だと思いますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~! パー