怪談雑誌で読者の体験談をもとにした短編を連載している小説家の「私」。 ある日、読者の女子大生・久保さんから“今住んでいる部屋で奇妙な音がする”という手紙を受け取る。興味を持った「私」は彼女と連絡をとり、一緒に調査を開始する。 すると、そのマンションでは他にも不思議と人が居着かない部屋が存在した。 しかも過去の住人たちが、引っ越し先で不可解な死に遭遇するケースがたびたび起こっていたことも分かってくる。 そこで「私」と久保さんは、作家の平岡芳明や心霊マニアの三澤徹夫らの協力を得て、さらなる調査を進めていくのだったが、、。

 

 

 

 

 

 

              -  残穢 [ざんえ] 住んではいけない部屋 -  監督 中村義洋

 

出演 竹内結子、橋本愛、滝藤賢一、佐々木蔵之介、坂口健太郎、 成田凌 他

 

こちらは2016年制作の 日本映画 日本 です。107分)

 

作家の 小野不由美 が2012年に刊行した小説 「残穢」 を原作にしたホラー映画

 

で、作者自身のプロフィールと同じ 「私」 が、怪奇現象を追っていくというセミドキ

 

ュメント風な構成になっています。

 

 

 

 

  物語の主人公「私」は小説家。 仕事の一環で怖い話を読者から募集していました

 

ある日、読者の女子大生・久保さんからとある手紙が届きます。その手紙には“自分の

 

部屋から畳を掃くような音がする”と書かれていました。 その後も何度か連絡を受け

 

るようになり「私」はある偶然に気付きます。 それは以前、同じような内容の手紙を

 

受け取っていたのを思い出したのです。 その上、宛名の住所は同じマンションの別の

 

部屋でした。 好奇心に駆られた「私」は、久保さんと共に調査をすることになります

 

 

 

 

調査を進めていくうちに、久保さんの住むマンションの住人が次々と自殺や心中、さ

 

らには殺人事件などを起こしていたことが判明します。 それにしてもそれぞれの部屋

 

は別で起きた現象も合致しないものばかりでした。 二人が調査を進めると、マンショ

 

ンが建つ以前の屋敷でも恐ろしい出来事が起きていた事を突き止めます。 さらに調べ

 

ると、その土地に嫁いで来た女性が嫁入り道具として持ってきた女性の絵に辿り着く

 

のですが、、。 というお話です。 本

 


 

 

タイトルになっている「残穢」とは、けがれが残ったものという意味になるらしく、

 

映画の中では、過去の「けがれ」が人から人へ、過去から現在へと伝染し、それに触

 

れた人間を苦しめるというものですが、霊感のように感じる人と感じない人がいるの

 

と同じに、これといった明確なルールは示されません。 それが余計怖かったりする

 

のですが、、。この作品の面白い所は、いわゆるホラー映画のお約束をことごとく裏

 

切っている所ではないでしょうか? オバケに襲われる受け身の作品ではなく、その元

 

凶の謎を探ろうとする、いわばミステリー作品の要素が強い内容です。 その為オバケ

 

のようなキャラクターはほとんど登場しませんし、一カ所を除いて化け物が襲っても

 

きません。 そういったものがホラー映画だと思って期待してご覧になるとガッカリす

 

る作品かも知れません。

 

 

 

 

ですが、ちゃんと怖いのです。 それも映画が終わった後、一人で部屋に居たりして、

 

ふと思い出したり考えたりすると、背筋がゾクッとするような怖さを残してくれるよ

 

うな作品なのです。 特に霊感が他人より強い方や、怖い話に敏感な方には、普通の ホ

 

ラー映画よりも恐怖を感じるかもしれません。

 

 

 

 

ただ、この映画で少し残念だったのが、ラストのオマケ的なサービス展開でありまし

 

た。多分、多くのオバケホラーを期待した観客に向けてのサービスだと想像がつくの

 

ですがそれまでの作品の空気感を邪魔してしまっいるような、よくあるありきたりの

 

映像が逆に違和感になってしまっている珍しい作品です。 そして、そもそもの始ま

 

りの出来事が、ここまでになる事?という気もしないでもありませんでしたが (こう

 

いう斜めから物事を見る人間に霊感は宿らないよな~と実感する私)

 

ホラーが苦手な怖がりな方でもご覧になれる怖いホラー映画だと思いますので、この

 

機会にでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

では、また次回ですよ~! パー