世界的ベストセラー3部作の完結編が世界同時出版されることになり、機密漏洩防止のため9ヵ国の翻訳家が1ヵ所に集められる。 完全隔離で翻訳作業に当たる中、脅迫メールとともに原稿が流出する事件が発生し、社長自ら犯人探しに奔走するが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2019年に制作された フランス フランス ベルギー  による

                                                                     合作映画です。(105分)

 

「ダ・ヴィンチ・コード」 で知られる作家ダン・ブラウンの「ロバート・ラングド

 

ン」シリーズの4作目「インフェルノ」を出版の際、海賊行為と違法流出を恐れた出

 

版元が、各国の翻訳家を地下室に隔離して翻訳を行なった実話をベースにしたスリラ

 

ー映画です。

 

 

 

 

  全世界待望のミステリー小説 「デダリュス」 完結編の各国同時発売に向け

 

て、それぞれ国が違う9人の翻訳家が集められます。 彼等は出版社が用意した建物に

 

泊まりスマホ等外部との接触を一切禁止された軟禁状態で、毎日出版社社長エリック

 

から20ページずつ渡される原稿を翻訳していく事になります。 

 

 

 

 

しかしある夜、社長エリックのもとに 「冒頭10ページをネットに公開した。24時

 

間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒

 

めば全ページを流出させる」 という脅迫メールが届きます。 社運を賭けた一大事業に

 

エリックは慌て、9人の翻訳家の中に犯人がいると疑います。 彼等のプライバシーは

 

契約で無視され、部屋と荷物を隅々までチェックされますが何一つ出て来ません。 

 

9人揃った状態で約束の時間を迎えたその時、エリックの携帯が鳴り、100ページ

 

が公開された事を告げられます。 そして新たに 「6時間以内に2000万ユーロを支

 

払わないと、次の100ページも流出させる」 というメールが届くのでした。 

 

 

 

 

いったい誰が犯人なのか? エリックと翻訳家の犯人探しが始まるのでありました。 と

 

いうお話です。 本  オープニングから登場人物9人の紹介等がスマートにサクサクと

 

進みます。多くの国で出版される為、出版部数の多い国から選抜されています。そし

 

て至れり尽くせりの高級ホテルのような生活環境が紹介されますが、その仕事部屋の

 

異様さが不気味です。入学試験のように一部屋に並べられた机と椅子。 外部との通信

 

手段は全て没収され部屋には警備員が目を光らせているのです。 このプライバシーゼ

 

ロの状況で、厳重に保管されている原稿を毎日20ページだけ渡されて翻訳していく

 

のですが、そんな厳重に管理されているはずの原稿が流失。 その上、現場での会話ま

 

でもリークされているではありませんか!

 

 

 

 

最初は 「どうやって流出させたのか」 「誰が流出させたのか」のミステリーとして進

 

んでいき、エリックからの犯人探し、さらに翻訳家同志での犯人探しも始まりますが

 

話が進むにつれ 「何のために流出させたのか」 「そもそも今何の犯人を探しているの

 

か」 という方向にストーリーが変わっていきます。 そして本作、映画が始まった早い

 

時間に、エリックと張本人らしき人物が取調室のような場所でこの事件についての尋

 

問場面が入ったりするのです。 

 

この場面はお話が進むにつれ、物語に差し込まれ、本編の事件が解決する前に、ここ

 

で犯人が紹介されてしまいます。 あれ?まだ映画の時間がまだ残されているのにかな

 

り早い解決で大丈夫?とこちらを心配にさせますが、そこは流石に計算されておりま

 

して、こういう事ふだったのか、あれ?え、これが?というように、最後の最後まで

 

事件の真相、理由、が明かされない作りになっています。

 

 

 

 

ミステリーとしては中盤で犯人らしき人物は分かるのですが、そんな事はまだストー

 

リーの半分程で、様々な物語がそこに隠されているのでした。ただ、この短い時間で

 

メインのお話にだけ焦点が当てられている為、かなりの翻訳家のお話がはぶかれてい

 

るのが少々残念な気もしました。そのくせ中盤がちょっとダレたように感じたのは私

 

だけでしょうか? まぁ、それでも十分面白いのですがね。

 

 

 

 

シチュエーションスリラーのようでいて、ちゃんと胸躍るアクション?シーンもあっ

 

たりして楽しませてくれます。 スーツケースの3桁の暗証番号ネタにはつい納得して

 

しまいました。 こういう小ネタも映画の面白さを増幅させますね。 あとバート・バカ

 

ラックの「What the world needs now」 の合唱も良かった。 そして翻訳家という

 

仕事の、内容に反して報われない感じがちょっと切なくも見えてしまう作品でござい

 

ます。鉛筆 いくつものどんでんや、伏線回収モノが好きな方には楽しみながら観てい

 

ただける映画だと思いますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ。

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

訳詞を読んだら素敵でうるうるした曲 高橋幸宏のしっとりバージョン よければです