勤めていたクラブをクビになったブルースシンガーのジェーンは、ロサンゼルスに新しい生活を求めて旅に出る。 一方、ニューヨークでは、自分の生活に嫌気がさしていたビジネスウーマンのロビンは、同乗者を募って応募してきたジェーンと共に、サンディエゴに向かう。 途中ジェーンの友人ホリーも加わり、3人は共に旅をすることとなる、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1995年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(117分)

 

それぞれに悩みを抱えた3人の女性が、旅を経て友情を育んでいく物語で、「グッバ

 

イガール」「摩天楼はバラ色に」の ハーバート・ロス が 監督、製作をしています。

 

 

 

 

  ジェーン (ウーピー・ゴールドバーグ)は鳴かず飛ばずの歌手。歌っていた店を

 

クビになり、 心機一転、歌手としてやり直す為ロサンゼルスへ出る事を決意します。

 

 

 

 

​ロビン (メアリー=ルイーズ・パーカー)は不動産の仕事をしていましたが、彼女も

 

また新天地で再出発しようと考え、サンディエゴを目指していました。

 

 

 

 

1人で車の旅は不安だと考えたロビンは新聞広告​​​​に同乗者募集を載せます。 そこへ応

 

募してきたのがジェーンでした。 相容れない二人でしたが西海岸へ向けて旅を始め

 

ます。 DASH!

 

 

 

 

旅の途中、ジェーンの友人ホリー (ドリュー・バリモア) の家に立ち寄りますが、ホ

 

リーは恋人のニックから激しいDVを受けていました。 ジェーンにまで暴力を振るう

 

ニックを見かねたホリーはニックの頭をバットで殴って椅子に縛り付け、逃げるよう

 

に2人の旅に同行する事になります。 

 

 

 

 

後日ニックの死亡記事を見てショックを受けるホリー。彼女は妊娠していました。 

 

3人の旅は続きますが、そんな中でロビンが倒れてしまいます。病院へ担ぎ込まれた

 

ロビンは肺炎で2日の入院となりますが、エイズとの合併症だと医者に聞かされるジ

 

ェーン。 旅を中断し、3人は家を借りてしばらくツーソンへ留まる事にするのでし

 

たが、、。  

 

 

 

 

いわゆるロードムービーですが、車での物理的な旅は中盤までになります。イケイケ

 

で上っ面の友情は、車を降りた所で一旦終了し、3人が共同生活を始める事で本当の

 

人間関係が築かれていく様子が語られていきます。 

 

 


 

 

退院し、元の生活へ戻ったロビンに好意を寄せる男性が現われますが、自身の病気の

 

事を考えて先へ進めずにいました。 そんなロビンの姿を見ていたジェーンが、良か

 

れ思ってとった行動が、逆に彼女を傷付ける事になり、ジェーンは家を出る事になっ

 

てしまいます。 一方妊婦のホリーには警察官の恋人が出来ますが、ニックの事件を

 

告白した事で逮捕されてしまいます。 

 

 

 

 

このホリーの裁判を通じて、3人の友情が真の絆へと変化していく事になりますが、

 

その過程でそれぞれが抱えているLGBT、AIDS、DV、といった問題も描かれ

 

ていて、90年代の作品としてはかなり切り込んだ内容になっています。 

 

 

 

そして女性だからこそ感じられる空気感が漂い、映画前半の3人のドライブシーンは

 

色々な意味での解放感が画面から溢れております。 虹

 

 

 

 

全く個性が異なる3人だからこそ、後半ではその個性を互いに尊重し、理解する事が

 

出来るようになったのかも知れません。

 

 

 

 

その後半で登場するメキシコの死者の祭り、ホリーの出産と、その子供の肌、ロビン

 

の病いの進行とが、「融和と輪廻」 を象徴しているようで、不思議な幸福感が残るエ

 

ンディングになっています。 

 

 

 

 

映画自体のテーマが重い割にサラリと観れるのは主人公3人を演じる役者陣のアンサ

 

ンブルによる面もありますが、良い意味で適度に力が抜けたハーバート・ロス監督の

 

手腕による所も大きいのではないでしょうか?

 

 

 

 

車で走る事だけがロードムービーではなく、人生そのものを旅するという深い意味で

 

のロードムービーの本作。 作品の中に女性として生きる様々な要素と問題が混在し

 

ていて、いつも以上に文章がまとまらない私ですが、他者の個性を尊重すれば、見知

 

らぬ他人同志でも、血のつながった家族以上の関係になり得るのではないか?と教え

 

てくれるような作品です。

 

 

 

 

本作でジェーンを演じるウーピー・ゴールドバーグですが、ついイメージ的にエキセ

 

ントリックな役柄が得意に感じられますが、このジェーンに代表される全てを包み込

 

むような寛容的な役が最もキャラクターに合っているように感じました。それだけこ

 

の作品での演技が印象深いものだったというのが大きいのですが、皆さんいかがでし

 

ょうか はてなマーク

 

 

 

 

そんな訳で、ちょっと落ち込みがちな時に観るには良い映画だと思います。特に女性

 

の方、この機会にでもご覧になってみてはいかがでしょうか?です。  目

 

「行き場所がないときはその場に留まるのよ」

 

では、また次回ですよ~!。  パー