元強盗の夫と元警察官の妻。子宝に恵まれず悩んでいた2人は、ある大富豪の家に5つ子が誕生したことをテレビで知り、そのうちの1人を奪って逃走する。赤ちゃん泥棒はひとまず成功したものの、夫の刑務所仲間や赤ちゃんを狙う賞金稼ぎが次々と現れて連鎖的に事件が起こり、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1987年の アメリカ映画 アメリカ です。 (94分)

 

「ファーゴ」「バートン・フィンク」「ノー・カントリー」等でお馴染みの コーエン

 

兄弟のデビュー2作目で、コーエン兄弟の代名詞といわれる犯罪コメディ映画です

 

 

 

 

  舞台はアメリカのアリゾナ州。 コンビニ強盗を繰り返す犯罪者のハイは、州の刑

 

務所に収監された際、出会った女性警官エドに恋をします。 ちんけな犯罪で何度も収

 

監されるハイは、エドが失恋したと聞き、プロポーズをします。 こうして、2人はめ

 

でたく結婚する事になります。 早く新しい家族を欲しがる二人でしたが、医師の検

 

査を受けたエドが不妊症である事が判明します。 悲しみのあまり、警官の仕事を辞

 

めてしまったエド。

 

 

 

 

養子も上手くいかずエドに元気を取り戻して欲しいと願うハイは、ある日、大手家具

 

店の夫婦に5つ子が誕生したことを知ります。 2人は、子供のでき方があまりにも不

 

公平だと感じ、5つ子のうち1人を盗む事を計画し、まんまと赤ちゃん泥棒に成功。 

 

新たな家族が出来、新生活を始める二人。 そこへ州刑務所を脱走したムショ仲間が

 

転がり込んで来ます。 

 

 

 

 

ニュースでハイの赤ちゃんが家具店の子だと感づいた二人はハイを縛り上げ赤ちゃん

 

を誘拐してしまいます。 一方、家具店の社長の元には賞金稼ぎが現われ赤ちゃんの

 

行方を追う事になります。こうして盗まれた赤ちゃんを中心に、ハイとエド家具屋、

 

脱獄囚、賞金稼ぎの入り乱れた争奪戦が始まるのでした。

 

 

 

 

コーエン兄弟の作品は、バックグラウンドに宗教的な意味合いが込められているもの

 

が多く、その作風に日本人の私達にはピンとこない(特にコメディ作品)ものが多い

 

中で、本作はそれを度外視して観ても楽しめる作品にはなっております。

 

 

 

 

コメディ色がかなり強い作品の為、出て来る登場人物達のキャラも揃って皆、濃いの

 

が特徴的です。 ハルを演じる ニコラス・ケイジのとぼけた感じ、対照的にキリリとし

 

たエドを演じる ホリー・ハンターとのコントラストがマッチしています。 

 

 

 

 

とにかく二人共若い! オフビートなテンポで展開していたお話が、中盤の強盗場面

 

になった途端、一気にスラップスティックなアクションと銃撃戦へと変貌し怒涛のこ

 

れでもか!のたたみ込みにはさすがに笑ってしまいました。 ドンッ  パトカー

 

 

 

 

不道徳な「赤ちゃん泥棒」が繰り広げられながらも、皆 赤ちゃんが好きで大事にする

 

という可笑しさ。 ムショ仲間の悪2人までも誘拐しつつ、オムツを買いに行ったりと

 

いう、ちょっと間抜けな感じもたまりません。 何せ演じているのが ジョン・グッドマ

 

ンですしね。

 

 

 

 

基本、犯罪コメディながらドタバタ、アクション、後半ではハートフルにまとめて来

 

るコーエン兄弟の巧みさは流石です。 フランシス・マクドーマンドもやはり出てお

 

りましたが。ウッドペッカーの刺青、賞金稼ぎの靴、といったものが何を意味してい

 

るか? 罪人、家具屋、法、不妊、盗み、罰と、裏に様々な宗教的意味合いを感じつ

 

つも、この表面的に馬鹿げたお話を楽しむのが良さそうです。 再び観たいか?は置

 

いとくとして、、。

 

 

 

 

そんな訳で、コーエン兄弟のコメディ映画の中ではシンプルに観やすい作品だと思いま

 

すので、機会があればご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、またですよ~!  パー