みなしごのさえないシーモアは、ムシュニク店長に拾われ育てられて以来、恋人の歯医者の暴力から逃れられないオードリーといっしょに花屋で働いている。そのシーモアが、ある日、中華街で奇妙な植物の鉢を買ってきた。それを店先に飾ったところ、客が興味をひかれて押しかけてきた。店長は、その植物を絶対に枯らすな、と命じるが、しかしその植物は、シーモアの血を吸う宇宙植物だった、、。
こちらは１９８６年制作の アメリカ映画 
です。（９４分）
もともとは１９６０年にロジャー・コーマンによって製作されたモノクロＢ級ホラー
作品ですが、１９８２年にオフブロードウェイでミュージカル化され大ヒットします
そのミュージカル化されたものを再び映画にしたものが本作というイレギュラー的な
作品です。
舞台はロスアンゼルスのダウンタウン。 貧困層が多く住むスキッド・ロウ地区
で、ムシュニク店長が営む花屋で働く うだつの上がらない シーモア。 同じ店にはＤ
Ｖ上等の歯医者を恋人にもつオードリーがいて、シーモアは優しい彼女に恋心を抱い
ていました。 ある日店長のムシュニクは、お客が全く来ない事を嘆いて店をたたむ事
を二人に告げます。
驚いたシーモアは地下室でこっそりと育てていた不思議な植物 「オードリーⅡ」を店
先に飾り、それでお客を引き寄せる事を提案します。 試しにと店先に飾った途端、
物珍しいオードリーⅡに惹かれたお客が殺到するようになります。 
店は繁盛しますが、オードリーⅡは萎れ始めてしまいます。 枯れては一大事と、様々
な方法を試しますが、一向に元気にならないオードリーⅡ。 そんな時、シーモアは薔
薇のとげで傷つき指から出血します。 その血に反応するオードリー２に気付いたシ
ーモアは試しにと数滴オードリー２に与えます。 
すると翌日、元気に一回り
大きくなっているオードリーⅡ。
この日以降シーモアは度々オードリーⅡに自分の血を与えるようになる羽目に、、。
オードリーⅡのおかげで店は大繁盛し、シーモアはテレビ、雑誌にと有名人になりま
す。シーモアの血で人の背丈程に大きく成長したオードリーⅡですが、シーモアはそ
の為に貧血気味でもうろうとなっていました。 そんなある日、閉店後掃除していたシ
ーモアに「空腹だ」 という声が聞こえます。 声の主はなんとオードリーⅡでした
人間以上に大きく育ったオードリーⅡにはシーモアの血だけでは満足出来ず、「生血
を飲ませろ」とシーモアに迫ります。 つまりそれは他の人間を殺害して調達するしか
他に方法がないという事を意味しており、シーモアは苦しい状況に落ち入るのであり
ました、、。 
本作の監督を担当しているのは フランク・オズという人物で、本作が単独の監督デビ
ューとなっていますが、皆さんご存知の「セサミストリート」でパペットの操作や声
を担当し「スター・ウォーズ」 のヨーダの声と演技？でもお馴染みのお方。その為
か、本作で巨大化したオードリーⅡの口 （唇）の動きの滑らかさの見事さは、まるで
最近のＣＧアニメを見ている気になる程の動きを見せます。 
ミュージカル版を映画化したという事で、オープニングからポップでご機嫌なナンバ
ーが流れます。 
「ゴースト・バスターズ」 等でお馴染みの リック・モラニスを
はじめ、
オードリーⅡまでも素敵な歌声を聞かせて楽しませてくれます。中でもス
トーリーを歌で紹介していく 狂言回し役 となっている黒人女性３人組のグループが、
場面場面で衣装チェンジしながら登場して来るのがこれまた楽しくて、ついつい３人
組の登場を心待ちにしてしまった私でした。
ほとんどの登場人物が頭のネジが一つ外れたような、おかしなキャラのオンパレード
ですが、その中でも群を抜いてぶっとんでいるオードリーの彼氏で歯科医のオリンと
いうキャラにはノックアウトされました。 
偽エルビスのようなルックスでバ
イクを乗り回し、訪れた患者に痛みを味あわせる事に喜びを感じるというサイコ男。
これを演じるスティーヴ・マーティンの演技はオー、オードリーⅡと並ぶインパクト
があります。
そして、このサディスト歯科医の噂を聞きつけてやって来た ドＭ男の患者をビル・マ
ーレイが演じ、医者と患者のＳＭ対決は見物です。
他にもジョン・キャンディや
ジョン・ベルーシの弟 ジェームズ・ベルーシと、「サタデー・ナイト・ライブ」で活
躍したメンバーが多数出演されていて、８０年代のぶっ飛んだ感性が凝縮された
映画でもあります。
大掛かりで大変凝ったセットも見事ですし、音楽も素敵です。 その中で繰り広げられ
るシュールでホラーなブラックコメディでございます。 カルト臭の漂う作品ながら
も、意外と誰からも好まれる８０ｓ映画の一本だと思いますので、機会があれば
一度ご覧になってみて下さいませ、です。 
では、また次回ですよ～！ 
素敵なオープニングソングです。 既に画面から８０ｓ感が溢れておりまする。 