地球に彗星が接近する兆候が現れ、不安に怯えるムーミントロールとスニフは、彗星について調べるため、おさびし山にある天文台に向かう。旅の途中で出会ったスナフキンを加えた一行は、数々の危険を乗り越えて天文台にたどり着くが、そこで彗星があと4日と4時間44分でやってくることがわかる。そのことをムーミンパパやママに知らせるため、ムーミントロールたちは再びムーミン谷を目指す、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2010年制作の フィンランド  ポーランド  オーストリア  

 

                         の合作映画です。(75分)

 

1978~82年に原作者トーベ・ヤンソン監修の下、テレビシリーズとして製作さ

 

れたムーミンのパペットアニメーションをカラー補正し、再編集してよみがえらせた

 

劇場版です。

 

 

 

 

  日本でも多くのファンのいるムーミン。 私はさほど詳しくはないのですが、幼

 

稚園の頃に放送されていた 「カルピス劇場」 のムーミンはよく観ていて、ムーミン=

 

岸田今日子という世代でございます。 正に昭和ですね。 

 

 

 

 

本作はフィンランドで放送さえていたムーミンのパペットアニメ中の「ムーミン谷の

 

彗星」のお話を抜粋した作品で、ある朝ムーミントロール(正式なお名前)が起きる

 

と、空や川木や地面が灰色になっている事に気付きます。

 

 

 

 

物知りのじゃこうねずみさんに聞いてみると、「空から恐ろしい彗星が地球にやって

 

くる前ぶれなのだ」と教えられます。不安に怯えるムーミントロールとスニフでした

 

が、ムーミンパパとムーミンママは、彗星について調べる為に2人をおさびし山にあ

 

る天文台に行かせることにします。

 

 

 

 

二人はムーミンパパの作ったいかだで出発します。 途中で出会ったスナフキンも同行

 

し、天文台を目指す。 という 行って帰る冒険のお話で、旅の途中でガーネットの谷で

 

大きなトカゲに遭遇したり、スノークのお嬢さん (昭和世代ではノンノン) のアンク

 

レットを発見したり、

 

 

 

 

谷底へ落ちそうになったり、アンゴスツーラと戦ったり、お婆さんのお店で買い物し

 

たり、海の消えた海底を歩いたり、難破船でタコに襲われそうになったり、竜巻に巻

 

き込まれたりしながら、知り合った仲間とムーミンやしきへ帰ります。

 

 

 

 

そしていよいよ彗星が接近して来るのでした、、。  という世界の終焉の差し迫った

 

状況ですが、当然ながら、なんともともホッコリとした時間が過ぎるのでした。 

 

 

 

 

これをハンドメイド感満載のフェルトや布、で作られたキャラクター (スナフキンは

 

やや残念なNHK人形劇を思わせますが) のストップモーションアニメと、背景は書

 

割を重ねて遠近感を出し、時には2Dの手書きアニメが入ったりとなかなか手間がか

 

かっています。

 

 

 

 

お話自体はさほど面白いものではありませんが、それがムーミンの世界。 童心に帰り

 

のどかで、穏やかな世界に浸るのが、この作品を観る目的なのであります。それでい

 

て、児童文学ながらも哲学的なセリフが多々出て来たリします。本作では哲学者のじ

 

ゃこうねずみさんではなく、スナフキンの何気ない言葉にそれを多く感じました。

 

 

 

 

ガーネットの谷をムーミンとス二フに見せたスナフキン。 ゆめみる宝石 それを見たス二フが 

 

「あれ君のモノなの?」 と聞くス二フに、スナフキンは 「自分で綺麗だと思うモノ

 

は、何でもボクのモノさ。その気になれば世界中でもね。自分でそう思えばね。」 と

 

答えるスナフキン。 

 

 

 

 

「何かを自分のモノにしたいと思うと、難しいものだよ。見たモノはカバンでなく、

 

頭にしまって、それで立ち去ればいいんだ。だからボクは荷物も持たずに楽しく旅が

 

出来るのさ」 と、大人目線の深い言葉を呟くのでした。  

 

 

 

 

そんなモノに執着しないスナフキンはモノを捨てがち~でもありました。    残

 

念ながら私の好きなスナフキンの姉、リトルミイが出ていないのが心残りですが、、

 

 

 

 

オープニングとエンディングにビョークの曲が、新たに作られたであろうパペットア

 

ニメに乗せて流れますが、ビョークの歌声同様に、アニメもムーミンとは関係ない独

 

特なもので、ちょい怖いホラー感漂う独特な不思議世界を醸し出しています。 字幕

 

版と日本語吹き替え版でのムーミンのキャラ設定の違いを比べるのも楽しいですよ

 

 

 

 

トーベ・ヤンソンの原画の世界とはやや違った風合いでは」ありますが、コーヒーや

 

ケキといった食事の描写にこだわりを感じますし、日本とは違う北欧の空気感を堪能

 

できる作品でもあります。 

 

 

 

 

幼少期に刷り込まれた、どこか懐かしい子供時代を追体験する事ができますので、ム

 

ーミンファンでない方でもお楽しみ頂ける作品だと思いますので、機会があればご覧

 

になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー  

 

 

 

 

 

 

 

昭和世代のムーミンといえば、このムーミンと、この歌ですね~。 音譜 ビト~ン もやもや

 

 

トーベ・ヤンソンの原画に近いこちら。一度聞くと頭の中でループが始まります。 ラブラブ