一代で巨万の富を築いた大富豪レオニデスが毒殺された。私立探偵のチャールズは、かつて恋人だったレオニデスの孫娘ソフィアから依頼を受け、事件解決にあたることに。大邸宅にやって来たチャールズは、さっそく家族たちへの聞き込みを開始する。しかしレオニデスの前妻の姉イーディスや若い後妻ブレンダをはじめ、誰もが一筋縄ではいかない個性の持ち主ばかり。しかもその全員に殺害の動機があるという状況の中、捜査が遅々として進まないチャールズだったが、、。

 

 


 

 

 

こちらは2017年制作のイギリス映画 イギリス です。 (115分)

 

アガサ・クリスティが1949年に発表した同名推理小説を映画化した本作。 

 

 

 

 

  一代で財を築いた大富豪 レオニデスが、持病の糖尿病で使用しているインスリン

 

注射に、何者かがすり替えた毒物によって殺されます。   レオニデスの孫であ

 

るソフィアは、屋敷に住む誰かによって毒殺された事を疑い、かつて恋人だった私立

 

探偵のチャールズに捜査を依頼します。

 

 

 

 

レオニデスの屋敷に住む住人は、彼の亡き後、家を取り仕切る前妻の姉 イーディス。

 

レオニデスの若き後妻で、亡くなった当日彼に注射を施した元ダンサーのブレンダ

 

その愛人と噂される家庭教師のローレンス。 レオニデスの長男で、事件当日映画資

 

金をねだっていたというソフィアの父 フィリップ。 その妻で売れない女優 マグダ。

 

 

 

 

レオニデスの次男で、会社を継いだものの、何度も倒産寸前に追い込んだ ロジャー。

 

その妻で毒物の専門家である クレメンシー。 フィリップの長男で、足が悪く引きこ

 

もりの ユースティス。 探偵小説好きな次女 ジョセフィーン と、その乳母。そして 

 

ソフィアという面々。このくせ者の住む屋敷に訪れたチャールズが、捜査を始める事

 

になるというストーリーです。 

 

 

 

 

推理物の定番である大富豪の死と、残された莫大な資産。 それを巡る怪しい人物達の

 

裏の顔が明かされていく展開と、真犯人探しという物語はそれなりに楽しめました。

 

とにかく、前妻の姉イーディスを演じる グレン・クローズの存在感と、チャールズを

 

手助けする警部を演じる テレン・スタンプの顔力。 これだけでも見応えがあります

 

 

 

 

そして映画に説得力を持たせるレオニデスの屋敷や内装、そして車や衣装、等々。

 

アガサ・クリスティ の世界観はバッチリと画面から伝わって来るのですが、ミステリ

 

ー映画の推理的な醍醐味があまり感じない作品でもありました。 その大きな要因と

 

しては主人公の探偵チャールズがただただ普通の人間で、ほぼほぼ推理というものを

 

しない事。 

 

 

 

 

そして依頼人であるソフィアと過去に恋人関係にあった為、時々挟まれる二人のラブ

 

ストーリー的なやりとりが邪魔します。 それに割かれた時間のおかげで、屋敷に住

 

む人物達の描写が薄まり、個々の怪しさや闇の部分にスポットが当たりきれず、推理

 

ドラマとしてやや薄い物になってしまった感があります。

 

 

 

 

探偵小説好きな幼い次女 ジョセフィーンとの ホームズごっこ にちょっとくすぐられ

 

て、その後の二人での展開を期待したのですが、そういう事情で広がらなかったのね

 

とそこも少々残念な要素でありました。 

 

 

 

 

ラストは怒涛の展開となりますが、チャールズの探偵としての推理は及ばず、彼の口

 

ではない所から事件の真相が明かされてしまいます。 小説では成立しているお話な

 

のかも知れませんが、映画で観ると主人公チャールズは、ほぼ探偵として活躍出来ず

 

に終わってしまい、ポアロのような明瞭な推理を見る事は叶いませんでした、、。もやもや

 

ラストの見せ場となる場所も原作通りかも知れませんが、どうせなら派手に「火サ

 

ス」的に派手な、海の見える断崖絶壁だったら映画的な美しさが見れたような気もし

 

ました。

 

 

 

 

アガサ・クリスティ の映画化で代表的な 「オリエント急行殺人事件」(あくまで19

 

74版)や「ナイル殺人事件」 は基本的なロケーションが違う為、映画としてスケー

 

ルの見劣りは致し方ありませんが、屋敷という限られた空間でのミステリー物の良さ

 

が、今一つ 生かし切れなかったように思えました。 ただ、これまでの映画化作品の中

 

でも本作は、最も バッドエンド な終わりが待っているのでした、、。 チーン あぁ。

 

 

 

 

そうそう、チャールズを演じるマックス・アイアンズを何処かで観たな~と思ってい

 

たら、以前ご紹介した「天才作家の妻」 でグレン・クローズと親子を演じていたので

 

ありましたなんというカップリングでしょうか。 

 

 

 

 

お話が蛇足してしまいましたが、、、推理小説や、ミステリー好きな方はお楽しみ頂

 

ける映画だと思いますし、当時を再現した映像、衣装や屋敷のインテリアをご覧にな

 

るだけでも価値はあるかと思いますので、機会があればミスマーブル気分になって推

 

理しながらご覧になってみてはいかがでしょうか、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー